在宅ワークのデスク周りの収納を、どう決めているかという話です。結論から書くと、私は収納グッズを買い足す前に、置いてあるものを減らすほうを先にやりました。というより、片付かない原因がそもそも「置き場所が足りない」ではなく「使っていないものが置いてある」だったので、買い足す出番が来なかった、というのが正直なところです。
書いているのは、さとりといいます。元は調理師で、飲食の現場に10年いました。そこからSNS運用代行のフリーランスとして独立して、いまは在宅で仕事をしています。デスクは自作で、モニターを4枚並べていて、PCも自作のデスクトップです。つまり、机の上にものが多くなりやすい環境です。その環境で実際にどう考えて、何を置いて、何を置かなかったかを書きます。
この記事で分かるのは、次のことです。
- 収納グッズを買うかどうかを、何を基準に決めたか
- デスクの上に置くものを、どうやって選んだか
- 収納を増やすと、代わりに何が起きるのか
- 私の環境で、実際に机の上に残っているもの
- 片付いていない状態を、どこまで許容しているか
先に言っておくと、この記事には「これを買えば片付きます」という話は出てきません。私が買っていないからです。買っていないものを勧めることはできないので、そのぶん、買わずに済ませた判断のほうを詳しく書きます。
収納を考える前に、置いてあるものを一度どかしてみた
デスク周りが片付かないと感じたとき、私が最初にやったのは、収納グッズを探すことではありませんでした。机の上のものを、いったん全部どかしてみることでした。
これは特別なテクニックではなくて、単純に「何が置いてあるのか自分で把握していなかった」からです。毎日座っている場所なのに、目に入っているだけで、ひとつずつ見てはいなかった。どかしてから戻す作業をすると、戻すときに一回ずつ「これは要るか」を考えることになります。それが目的でした。
そのときにはっきりしたのが、使っていないのに置いてあるものが、思ったより多いということでした。私の場合でいちばん分かりやすかったのは、マイクです。オーディオテクニカのAT2020と、オーディオインターフェイスのAT-UMX3を持っているのですが、これが机の上の場所をずっと取っていました。買ったときは使うつもりでしたし、今も持っています。ただ、日々の仕事で常に使うかというと、そうではなかった。
このとき思ったのは、「収納が足りないんじゃなくて、置く必要がないものを置いていただけだった」ということです。もしあの時点で収納グッズを買っていたら、使っていないマイクをきれいに収めるための棚を買っていたことになります。片付いて見えたとは思いますが、問題は解決していません。
なので、収納の話をするときの私の出発点は、いつもここです。買う前に、どかす。順番が逆になると、要らないものを保管するためにお金と場所を使うことになります。
どかす作業は、時間がかかるものではなかった
全部どかすと聞くと大がかりに感じますが、対象はデスクの上だけです。部屋全体をやろうとすると終わらないので、机の天板の上に限定しました。範囲を区切ると、途中で嫌にならずに済みます。
それと、判断に迷ったものは無理に捨てませんでした。「机の上に置くか、置かないか」を決めるだけで、処分するかどうかは別の話にしています。机から下ろして箱に入れておいて、しばらく取りに行かなかったら、それは机の上に要らなかったということです。私はこの方法で、判断を先送りできるようにしています。決められないものを無理に決めようとすると、片付け自体が止まってしまうので。
収納を増やすと、置く場所も増える
これは道具全般に言えることだと思っているのですが、収納は特に分かりやすいです。置き場所を作ると、そこに置くものが出てきます。
私はデスクを自作していて、天板と脚を自分で選んで組んでいます。作るときに、引き出しや棚を付けるかどうかも考えました。付けようと思えば付けられた。でも付けませんでした。理由は、そのとき机の上に置きたいものが、実際にはそんなに無かったからです。
正直に書くと、このときは「後から欲しくなったら付ければいい」と思っていました。結果としては、その後も付けていません。付けなくても困っていないからです。もし先に引き出しを付けていたら、たぶん中に何か入れていたと思います。そして中に何が入っているか、そのうち分からなくなっていた気がします。
これは収納が悪いという話ではありません。収納は、収めたいものが先にあって初めて意味があるということです。順番が逆になると、収納が先にあって、それを埋めるものを後から集めることになります。私はそれをやりたくありませんでした。
「とりあえず入れておく場所」を作らない
私が意識的に作らないようにしているのが、「とりあえず入れておく場所」です。行き先が決まっていないものを放り込む箱や引き出しのことです。
これを作ると、机の上は片付きます。見た目としては確実に効果があります。ただ、机の上から消えただけで、判断は先送りされたままです。しかも中身が見えないので、先送りしたこと自体を忘れます。私は自分がそうなると分かっていたので、作らないことにしました。
代わりにやっているのが、さっき書いた「机から下ろして、取りに行くかどうかを見る」という方法です。似ているようですが、違いは取りに行った回数が自分で分かることだと思っています。取りに行かないものは、机の上に戻す理由がありません。
デスクの上に何を残すかは、作業から決めた

ここが、私が収納を考えるときにいちばん時間を使ったところです。
私の作業環境は、モニターが4枚あります。メインがMSI、サブがASUSで、製造年もばらばらの機種です。4枚にしている理由は、それぞれのモニターに作業と確認画面を分けて置けるからです。いちいち画面を切り替えなくて済みますし、ウィンドウ間のドラッグ&ドロップも楽になります。
この「置き場所を分けて、切り替えを減らす」という考え方は、そのまま机の上にも当てはめています。手を伸ばす回数が多いものだけを、手の届くところに置く。それ以外は机の上に置かない。基準はこれだけです。
実際にいま机の上に残っているのは、キーボードとマウスとヘッドセットです。キーボードはRazerのBlackWidow V3、マウスはRazerのBasilisk V3、ヘッドセットはRazerのBlackShark V2 Proを使っています。これらは毎日使うので、置き場所を考える余地がありません。ヘッドセットだけは使わないときにどこに置くかという問題がありますが、これも「毎日使うものは出しておく」で処理しています。
逆に、マイクとオーディオインターフェイスは、使う頻度と占有する面積が釣り合っていませんでした。持っていること自体は後悔していません。ただ、机の一等地に常設するものではなかった、というだけです。
「使うかもしれない」で置いているものは、だいたい使わない
どかして戻す作業をしたときに、自分の中ではっきりしたのがこれでした。
置いてある理由を自分に聞いてみて、「使うかもしれないから」と答えが返ってくるものは、たいてい直近では使っていません。使っているものは、聞くまでもなく手が動いています。この差は、けっこう分かりやすかったです。
そのときに思ったのは、置いてあるもの自体が悪いのではなくて、置いてある理由を一度も言葉にしていなかったことのほうが問題だったな、ということでした。理由を言葉にすると、要る要らないは自然と分かれます。
配線は、収納とは別の問題として扱っている
デスク周りの片付けというと配線の話が出てきますが、私はこれを収納とは分けて考えています。
理由は単純で、配線は減らせないからです。モニターが4枚あって、PCがデスクトップで、キーボードとマウスとヘッドセットがあれば、ケーブルの本数は決まってしまいます。「使っていないケーブルを外す」という整理はできますが、使っているケーブルはどうやっても残ります。
ものの収納は「減らす」で解決できる部分がありますが、配線は「減らす」の余地が小さい。ここを一緒に考えると、どちらも中途半端になります。なので私は、机の上に置くものを決める話と、ケーブルをどう通すかの話を、別々に片付けました。
配線そのものの話はこの記事の主題ではないので深くは書きませんが、収納を考えるときに知っておくと楽なのは、ケーブルの本数は機材の構成で決まっていて、片付け方では変わらないということです。ここを分けておくと、「片付けたのにスッキリしない」と感じる原因が分かりやすくなります。
収納グッズを買わなかったのは、我慢したからではない

誤解されそうなので書いておきます。私が収納グッズを買っていないのは、節約のためでも、ミニマルにしたいからでもありません。買う必要が出てこなかったからです。
道具については、私はいつも「自分の作業から決める」という順番を守るようにしています。困っていることが先にあって、それを解決する道具を選ぶ。順番が逆になると、道具を買ってから使いみちを探すことになります。
この考え方は、実際に自分で失敗して身についたものです。私はマイクを買って、結果として日常の作業ではあまり出番がありませんでした。買った時点では、必要だと思っていました。でも、自分の作業の中でそれがどれくらい登場するかを、ちゃんと数えていなかった。それを一度やっているので、収納についても同じことをしないようにしています。
もちろん、収納グッズが必要な人はいると思います。机の上に置きたいものが実際にたくさんあって、それが仕事で毎日使うものなら、置き場所を作るのは正しい判断です。私の場合はそうではなかった、というだけの話です。
買うかどうかを決める前に、私が自分に聞いていること
収納に限らず、道具を買うかどうか迷ったときに自分に聞いている質問があります。
- それがないと、いま実際に困っているか
- 困っている場面は、週に何回起きているか
- 買わずに済ませる方法を、一度でも試したか
- 置き場所を作ることで、逆に増えるものはないか
収納の場合、4つ目がけっこう効きます。棚を足すと、そこに何かを載せたくなる。引き出しを足すと、そこに何かを入れたくなる。この作用があることを分かったうえで買うなら問題ないと思うのですが、分からずに買うと、片付いた気がするだけで終わります。
片付いていない状態を、どこまで許すか
最後に、これも正直に書いておきます。私の机は、常に完璧に片付いているわけではありません。
仕事をしていれば、その日に使っているものが机の上に出ます。作業中に出しっぱなしになるものもあります。それを毎回きっちり戻すかというと、戻さない日もあります。
ここについては、あまり厳しくしないようにしています。理由は、片付けを守ること自体が仕事になってしまうと、続かないからです。私はフリーランスで在宅なので、机の状態を誰にも見られません。見られない場所のルールを厳しくしても、守るための労力だけが増えます。
代わりに決めているのは、「常設するものだけは動かさない」ということです。キーボード、マウス、ヘッドセットの定位置は変えない。それ以外は、その日の作業に応じて出ていても構わない。この線引きにしてから、片付けについて考える時間がかなり減りました。
作業環境の話をしていると、整った写真のような状態を目指したくなるのですが、私が実際に必要としているのは、座ったときに、すぐ作業を始められる状態です。それが保てているなら、机の上に多少ものが出ていても困りません。
まとめ:収納は、減らしたあとに考える

ここまで書いてきたことを、順番にまとめます。
- 収納グッズを探す前に、机の上のものを一度どかす。何が置いてあるか把握するのが先
- 迷ったものは捨てずに机から下ろす。取りに行かなければ、机の上には要らなかったということ
- 置き場所を作ると、そこに置くものが出てくる。収めたいものが先にあるかを確認する
- 「とりあえず入れておく場所」は作らない。判断を先送りしたことごと見えなくなるため
- 机の上に残すのは、手を伸ばす回数が多いものだけ。それ以外は下ろす
- 配線は収納とは別の問題として扱う。ケーブルの本数は機材構成で決まっていて、片付け方では変わらない
- 片付いていない状態を全部なくそうとしない。常設するものの定位置だけ守る
私自身は、この順番でやった結果、収納グッズを買う場面が来ませんでした。ただこれは「買わないのが正解」という意味ではなくて、自分の作業から決めると、買う必要があるかどうかがはっきりするということだと思っています。減らしたあとでも足りないなら、そのときは買えばいい。買う理由がはっきりしているので、選ぶのも楽になるはずです。
逆に、減らす前に買ってしまうと、何のために買ったのかが自分でも分からなくなります。私はマイクでそれをやってしまったので、同じことを収納で繰り返さないようにしています。
この記事で書いたのは、あくまで私の環境での決め方です。モニター4枚とデスクトップPCという、机の上が埋まりやすい構成での話なので、そのまま当てはまらない部分もあると思います。ただ、「置いてある理由を言葉にしてみる」という部分だけは、環境が違っても使えるはずです。
もし今、デスク周りが片付かないと感じているなら、収納グッズを検索する前に、机の上のものを一度どかしてみてください。それで足りるなら、買い物は要りません。足りなかったときに初めて、何が足りないかが具体的に見えます。その状態で選んだほうが、失敗が少ないと思います。


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