在宅ワーク用のパソコンを、デスクトップにするかノートにするかで迷っている方に向けて書いています。この記事で分かるのは、性能表を見比べる前に決めておくべきことと、私が実際にどういう順番で決めたかです。
書いているのは、元・調理師で飲食の現場に10年いた後、SNS運用代行のフリーランスとして独立した「さとり」です。いまは在宅で仕事をしていて、自作のデスクトップにモニターを4枚つないだ環境で毎日作業しています。営業が苦手で、その苦手を埋めるために手を動かしてきたタイプの在宅ワーカーです。
先に断っておくと、この記事は「デスクトップのほうが優れています」という話ではありません。私はノートパソコンを在宅の仕事用に使っていないので、そもそも比べられる立場にないからです。あくまで、私がどう決めたか、その決め方は他の人にも使えるかもしれない、という話として読んでいただければと思います。
先に結論:スペックではなく「持ち出すかどうか」で決まりました
私の結論はとてもシンプルで、仕事の道具を持ち出す働き方かどうか、それだけで決まりました。持ち出すならノート、持ち出さないならデスクトップ、という単純な線引きです。
私は在宅で、出社がありません。打ち合わせもオンラインです。つまり、パソコンを持って移動する場面が仕事の中にほとんど存在しませんでした。そうなると、ノートパソコンの最大の長所である「持ち運べること」に、私はお金を払う理由がないことになります。だからデスクトップにしました。
逆に言えば、この一点が違えば結論は変わります
もし週に何度かカフェやコワーキングスペースで作業するなら、同じ理屈でノートになります。月に1回でも客先に持って行く必要があるなら、やはりノートのほうが素直です。ここは性能の話ではなく、生活の話なので、他人の環境を真似ても答えは出ません。
道具を選ぶときに一番よくある失敗は、性能表の比較から入ってしまうことだと思っています。比較表は、どちらを選んでも成立する条件の中でしか役に立ちません。先に「自分の働き方ではどちらが成立するか」を決めてしまえば、そのあとの比較はずっと楽になります。
いま使っている環境
判断の前提として、私の環境を先に出しておきます。2026年8月時点で実際に使っているものです。
- パソコン:自作のデスクトップ
- モニター:4枚(メインがMSI、サブがASUS)
- デスク:自作
- 椅子:SYALEN
- キーボード:Razer BlackWidow V3
- マウス:Razer Basilisk V3
- ヘッドセット:Razer BlackShark V2 Pro
- 回線:ビッグローブ光(速度は250〜350Mbpsくらい)
ご覧のとおり、机の上にほぼ固定されている構成です。この形になった時点で、ノートという選択肢は自然に消えていました。パソコン単体で決めたというより、机の上をどう作るかを決めた結果として、本体の形が決まったという順番でした。
なぜ「持ち出さない働き方」になったのか

ここは人によって全く違うところなので、私の場合を書いておきます。
私はもともと飲食の現場に10年いました。当時は昼に出勤して真夜中に退勤する生活で、休みの日は体力が残らず、何もできないまま終わることが多かったです。休憩時間もほとんど取れませんでした。仕事の中身自体は嫌いではなく、料理は好きでした。きつかったのは労働時間のほうです。この先ずっとこれが続くのか、と考えた瞬間に、辞めようと決めました。
辞めるときは社長に電話で伝えて、後日話し合いの場が持たれて、引き止められました。最終日は特別なことは何もなく、スタッフに挨拶をして普通に終わりました。あとでお別れ会のようなものを開いてもらって、普通に楽しかったです。嫌いで辞めたわけではありませんでした。
そこから独立して、いまは在宅で仕事をしています。やっている業務委託の仕事は、正直、やっていること自体は会社員と変わらないと思っています。違うのは働く場所と、出社が無いことだけです。ただ、その「出社が無い」という一点が、道具の選び方をまるごと変えました。移動しない働き方を選んだ時点で、移動できる道具の価値が下がったということです。
フリーランスはメンタルが不安定になりやすいですし、将来も不安です。それでも、好きなことを好きな時間にやれている今の環境は、辞めてよかったと今になって思えます。その環境の中身が、この机の上だという感覚があります。
モニターを4枚にしたことが、本体側の前提になった
私の環境で、本体の形をいちばん強く縛ったのはモニターでした。4枚使っています。
4枚にしてよかったのは、それぞれの画面に作業や確認用の表示を置いたままにできることです。いちいち画面を切り替えなくて済みます。ウィンドウ間のドラッグ&ドロップが楽なのも、複数枚にしてよかった点です。切り替える動作が減ると、思考が途切れる回数も減ります。
困った点は、費用がかかることくらいでした。使い勝手の面では、いまのところ不満は出ていません。
この「画面を何枚並べたいか」は、本体の置き方に直結します。私は最初からモニターを増やす前提で考えていたので、机に置きっぱなしにできる形が都合がよかった、というだけの話です。逆に、画面は1枚で足りる仕事の仕方なら、この制約はまるごと無くなります。
枚数から先に考えると、失敗が減ると思っています
これから在宅の環境を作る方には、本体より先に「画面を何枚置ける机なのか」を考えることをおすすめしたいです。画面の枚数は、置き場所と机の広さで上限が決まってしまいます。本体だけ先に決めても、机が足りなければ結局並べられません。順番としては、机、画面、本体、の順で考えるほうが素直だと感じています。
スペックから決めていません
正直に書きますが、私は自分の使っている道具の型番を、ほとんど覚えていませんでした。
モニターの型番を記事に書こうとしたとき、自分では答えられず、パソコンの実機情報から調べて初めて分かりました。MSI G274QPF E2、ASUS VC239 が2枚、ASUS VG258 の4枚でした。毎日8時間以上見ている画面の名前を、私は覚えていなかったわけです。
これは、道具にこだわりが無いという話ではなくて、私が道具を選ぶときに見ていたのが型番ではなかったということだと思っています。見ていたのは「その道具が置けるか」「その置き方で自分の作業が回るか」でした。だから型番は記憶に残らなかったのだと思います。
なお、それぞれの機種の使い比べはしていません。並べて使っているだけなので、機種ごとの良し悪しは私には語れません。ここは正直に、語れないままにしておきます。
ノートパソコンとの比較は、私にはできません

この記事で唯一はっきり書いておきたいのがここです。私は在宅の仕事用にノートパソコンを使っていないので、使い勝手を比べて語ることができません。
比較記事の多くは「どちらが優れているか」を答えにしますが、私は両方を同じ条件で使ったわけではないので、それをやると想像で書くことになります。実際に使っていないものを、使ったかのように書くのはしたくありません。
なので、ここで言えるのは次のことだけです。
- 私は移動しない働き方なので、持ち運べることに価値を見出さなかった
- 画面を並べたかったので、机に置きっぱなしにできる形が都合がよかった
- その結果としてデスクトップになった
この3つのうち1つでも当てはまらない方は、私と同じ結論にならないはずです。それでいいと思っています。
収入が不安定な時期に、私が後回しにしたもの
道具の話をするときに、お金の話を飛ばすのは不誠実だと思うので書いておきます。
私は独立するために動画編集のスクールに入りました。費用は約70万円、期間は6ヶ月です。そのあと、独立してから半年くらいは無収入でした。次の半年も収入は一桁万円台で、その間はアルバイトをしながら食いつないでいました。独立初期の編集案件は1本4,000円から10,000円くらい、コンサルは1本3,000円でした。
その時期に道具を一気に揃えるのは無理でしたし、実際やっていません。むしろ私がここから学んだのは、買った道具が全部働いてくれるわけではないということです。
買ったのに使っていない道具の実例
私はマイクにオーディオテクニカのAT2020、オーディオインターフェイスにAT-UMX3を持っています。ですが、いま日常的に使っているのはヘッドセット(Razer BlackShark V2 Pro)のほうです。オンラインで話す用事は、ヘッドセットで足りてしまいました。
買った時点では必要だと思っていたわけですが、実際の作業を並べてみると出番がありませんでした。これは道具が悪いのではなく、私が自分の作業を見る前に道具から入った結果だと思っています。パソコン本体は金額が大きいぶん、同じ失敗をすると取り返しがつきにくいです。
だから今は、何かを買う前に「これは自分のどの作業のために要るのか」を1行で言えるかどうかを確かめるようにしています。言えないときは、たいてい要らないものでした。
買い足していく前提で考えると気が楽になります
私のモニター4枚は、製造年で見ると2023年、2017年、2019年、2021年とばらばらです。ただし、これは購入した時期の証拠にはなりません。中古で手に入れた可能性も、まとめて買った可能性も残るので、そこは分からないままにしておきます。
それでも一つ言えるのは、年式の違うものが同じ机の上で普通に並んで働いているということです。新しいものだけで揃えないと環境が成立しない、ということはありませんでした。
在宅の環境を作ろうとすると、理想の完成形をいきなり買い揃えたくなります。ですが、収入が読めない時期にそれをやると、使わない道具まで買ってしまいます。私の場合は、いま困っているところだけを一つずつ足していく形になりました。結果として、机の上には年式もメーカーもばらばらのものが並んでいますが、作業は問題なく回っています。
迷っている方への、決め方の順番

最後に、私が使っている順番をそのまま書いておきます。性能表を開く前に、この4つを紙に書き出してみてください。
- 1. 仕事の道具を持ち出す場面が、1ヶ月に何回あるか。ゼロならデスクトップが候補に入ります
- 2. 画面を何枚並べたいか。並べたいなら、まず置ける机があるかを見ます
- 3. その道具は、自分のどの作業のために要るのか。1行で言えないなら、まだ買わなくていい可能性が高いです
- 4. いま全部揃えないと仕事にならないのか。足していけるなら、今日買う必要があるのは1つだけかもしれません
この4つを書き出すと、だいたいの人はどちらかに寄ります。寄らなかった場合は、どちらでも成立するということなので、そこで初めて価格と性能を比べればいいと思っています。
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まとめ
在宅ワークのパソコンをデスクトップにするかノートにするかは、性能ではなく働き方で決まる、というのが私の結論です。私は持ち出さない働き方を選び、画面を4枚並べたかったので、机に置きっぱなしにできる形になりました。それだけの理由です。
私はノートパソコンを在宅の仕事用に使っていないので、どちらが優れているかは書けません。書けないことは書かないつもりです。そのかわり、自分がどういう順番で決めたかは、そのまま出しました。
それと、買っても使わなかった道具が私にもあります。必要だと思って買ったマイクは、いまヘッドセットに役目を譲ったままです。道具は、買った時点では正解かどうか分かりません。分かるのは、実際に自分の作業に置いてみてからです。
もし今どちらにするか迷っているなら、店やレビューを見に行く前に、自分の1週間の作業を一度書き出してみてください。どこで作業しているか、画面をいくつ開いているか、道具を持ち出した回数は何回か。それだけで、選ぶべき形はかなり絞れるはずです。私の場合は、書き出した時点でもう答えが出ていました。


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