在宅ワークの周辺機器を何にするか、私はもう考えるのをやめました。今使っているのは、キーボードが Razer BlackWidow V3、マウスが Razer Basilisk V3、ヘッドセットが Razer BlackShark V2 Pro。この三点について私が言えることは、ひとつだけです。不満が出ていない。
拍子抜けする結論だと思います。レビュー記事なら、打鍵感がどうとか、クリック感がどうとか、そういう話を期待して開いた方もいるはずです。でも私はその手の話を書けるほど、自分の感覚を細かく言語化していません。使っていて困っていない、というのが本当のところで、それ以上でも以下でもないんです。
この記事では、その「不満が出ていない」という事実だけを正直に置いた上で、じゃあ何を基準に選べばいいのか、私が実際にどういう順番で環境を組んできたのかを書きます。私は元調理師で、飲食の現場に10年いました。パソコンに詳しい人間として出発したわけではなく、独立してから必要に迫られて一つずつ揃えていった側の人間です。だから「詳しい人のおすすめ」ではなく、「詳しくなかった人間が結果的にこうなった」という話になります。
先に結論:私の三点セットは Razer で揃っている

まず事実だけを並べます。私が2026年8月時点で毎日使っている周辺機器は以下の通りです。
- キーボード:Razer BlackWidow V3
- マウス:Razer Basilisk V3
- ヘッドセット:Razer BlackShark V2 Pro
- マイク:オーディオテクニカ AT2020
- オーディオインターフェイス:オーディオテクニカ AT-UMX3
この三つのRazer製品について、私が持っている感想は「基本的に問題なく使えている。特に不満は出ていない」だけです。壊れて困ったこともないし、作業中に「これのせいで作業が止まった」という記憶もありません。
逆に言えば、私はこれらを他社製品と比べたことがありません。買い比べていないので、比較表は作れません。作れないものを作ると嘘になるので、この記事に比較表は載せません。一般に、同じ価格帯には他メーカーの選択肢もありますが、私はそれらを触っていないので評価できない、というのが正確な言い方です。
「不満が出ていない」は褒め言葉として弱いのか
私は最初、この結論を記事にするのはどうなんだろうと思っていました。「特に不満はない」なんて、レビューとして情報量がなさすぎるんじゃないかと。
でも、自分の作業を振り返って考え直しました。私は今、Threadsに1日5本、Xにも1日5本の自動投稿を回していて、毎日その調整をしています。うまくいかないことが山ほどある環境です。タスクスケジューラーが「準備完了」と表示されているのに実は一度も動いていなかったり、認証トークンのファイルにBOMが混ざっていて投稿が丸ごと止まったり、そういう「気づけない失敗」に時間を吸われている。
そういう毎日の中で、キーボードとマウスとヘッドセットが一度も話題に上がっていない、というのは実はかなり重要な事実です。道具として意識に上がってこない。トラブルシューティングの候補にすら入らない。在宅ワークの周辺機器に求めることの大半は、突き詰めるとそれなんじゃないかと思っています。
私が周辺機器を選んだときに実際に考えたこと
ここからは、私がどういう状況でこの環境を組んだかという話です。細かい製品スペックの話はできませんが、選ぶときの考え方なら書けます。
前提として、私の独立初期はお金がありませんでした。動画編集のスクールに約70万円を払い、6ヶ月通い、そのあと半年くらいは無収入でした。その次の半年も収入は一桁万円台で、アルバイトをしながら食いつないでいた時期です。当時の編集案件は1本4,000円から10,000円、コンサルは1本3,000円。周辺機器に何十万も投じられる状態ではありませんでした。
だから私の選び方は、最初から「一発で最適解を引き当てる」ものではありませんでした。必要になったものから、順番に足していった。それだけです。
順番としては「毎日触るもの」から
結果的にですが、私が先に手をつけたのは、作業時間の中でいちばん長く触れているものでした。キーボードとマウス、そして椅子です。
椅子は今 SYALEN を使っています。それ以前は普通のデスクチェアでした。替えてから肩こりと腰痛が緩和されたような気がしていますが、はっきり治ったとまでは言い切れません。同時期に他のことも変えているので、椅子だけの効果として切り出せないからです。効果を断定できる根拠を私は持っていません。ただ、椅子に対する不満も今のところ出ていません。
キーボードとマウスは、パソコンの前に座っている限りずっと手が触れているものです。ここに違和感があると、作業そのものより先にそっちが気になる。逆にここが問題なければ、意識は作業の中身に向く。私の場合、Razer BlackWidow V3 と Razer Basilisk V3 は後者でした。
ヘッドセットは「使う場面が限られている」ので評価が難しい
Razer BlackShark V2 Pro については、正直に言うと私の使用頻度は他の二つより低いです。私は営業が本当に苦手で、初対面の相手とオンラインで話すと、人見知りと自信のなさが前面に出てしまう。自分でも分かっています。正直、その時間が嫌です。
だから「毎日長時間の通話をしている人」の評価は私には書けません。遮音性がどうとか、長時間つけたときの締め付けがどうとか、そういう話を期待されている場合、私は答えを持っていない。ここは正直に言っておきます。
私が言えるのは、使ったときに問題が起きていない、ということだけです。それ以上のことを書き足すと、私が確かめていないことを書くことになります。
音まわりは別系統で組んでいる

音に関しては、ヘッドセットとは別に、マイクを分けています。マイクはオーディオテクニカ AT2020、オーディオインターフェイスは同じくオーディオテクニカの AT-UMX3 です。
私は独立初期に動画編集をやっていて、その後もYouTubeを試したりしていました。仕事が取れない時期に、ココナラでコンサルをやったり、YouTubeをやったり、クラウドソーシングをやったり、思いつくものは一通りやった。その流れで、音声を録る機会がある環境になっていました。
ここで書いておきたいのは、周辺機器は「一つで全部まかなう」形にしなくてもいいということです。ヘッドセットのマイクで足りる場面もあれば、そうでない場面もある。私の場合は結果的に二系統になりました。これは最初から設計したというより、必要になったときに足した結果です。
音の話でひとつだけ、失敗として書けること
機材そのものの失敗ではありませんが、音まわりで実際にやらかしたことがあるので書いておきます。動画のナレーションを速くしたことがあるんです。テンポを上げたかった。
ところが、各カットの後ろに無音が残ってしまって、かえって間延びしました。速度だけ変えても尺は直らなかったんです。今思えば当たり前の話なんですが、そのときは「速くすれば締まるはず」としか考えていませんでした。
機材を良くしても、使い方の設計が抜けていれば結果は良くならない。これは周辺機器選び全般に言えることだと思っています。良いマイクを買っても、録り方と編集の設計が抜けていれば出てくるものは変わらない。
実は周辺機器より効いたのはモニターの枚数だった
ここまで書いておいて何ですが、私の作業環境で「これは明確に良かった」と言い切れるのは、キーボードでもマウスでもなくモニターの枚数です。
私は今、モニターを4枚使っています。メインが MSI、サブが ASUS です。パソコンは自作のデスクトップ、デスクも自作です。
4枚にして良かった点は、はっきりしています。
- 各モニターにそれぞれの作業や確認画面を置けるので、いちいち画面を切り替えなくて済む
- ウィンドウ間のドラッグ&ドロップが楽
この二つは、使ってみて即座に体感できるレベルの差でした。キーボードやマウスの「不満が出ていない」とは質が違います。あちらはマイナスが無いという話で、こちらはプラスがあるという話です。
なぜ枚数が効くのか、私の作業で説明すると
私が毎日やっていることを具体的に言うと、こんな感じです。自動投稿のスクリプトを触りながら、その実行ログを見て、Discordに飛んでくる通知を確認して、Googleドライブに保存されたテキストの中身を見る。同時に、投稿された実物をSNS側で確認する。
これを1枚のモニターでやろうとすると、ひたすらウィンドウを切り替え続けることになります。切り替えるたびに「今どれを見ていたか」を思い出す必要がある。4枚あると、それぞれを置きっぱなしにできる。
特に効いているのが、失敗に気づく速度です。私は2026年8月6日に、朝6時の投稿文生成が動かず、その日のThreadsは朝と夕、Xは朝・昼・夕の投稿がまるごと出ないという事故を起こしています。原因は生成に使っているAIの利用上限でした。しかも、止まったこと自体に夜まで気づかなかった。
常時表示できる面積があると、こういう「無言の失敗」に気づける確率が上がります。もちろん4枚あっても見ていなければ同じで、現に私は気づけていないわけですが、少なくとも画面を切り替えないと見えない状態よりはマシです。
モニターを増やして困ったこと
正直に書くと、困った点は費用がかかることくらいでした。使い勝手の面での不満は出ていません。設置スペースや配線を心配される方もいると思いますが、私の環境ではそこが問題になっていません。
ただしこれは、デスクを自作していることと無関係ではないと思います。市販のデスクに4枚を並べる場合の話は、私はやっていないので書けません。
回線とパソコン本体という土台の話
周辺機器の記事ですが、土台の部分も書いておきます。ここが不安定だと、周辺機器を良くしても意味がないからです。
パソコンは自作のデスクトップです。ネット回線はビッグローブ光を使っていて、速度は250〜350Mbpsくらい。特に不満はありません。
私の作業は、Pythonのスクリプトを走らせてAPIを直接叩く、というものが中心です。Windowsのタスクスケジューラーを使って、Threadsに1日5本、Xにも1日5本を自動投稿しています。この構成で、回線速度がボトルネックになったことは今のところありません。
むしろ私が実際に痛い目を見たのは、回線ではなくパソコンの電源状態のほうでした。2026年7月3日から5日まで、Threadsの投稿が1本も出ていなかったことがあります。原因は早朝にPCがスリープしていて、6時の生成スクリプトが走れなかったこと。7月14日にも投稿が3件失敗していて、これもPCが落ちていたのが原因でした。
在宅ワークで自動処理を回すつもりなら、機器のスペックより先に「そのパソコンが動いている時間帯」を確認したほうがいい、というのが私の実感です。速い機械でも、寝ていたら仕事をしません。
これから買う人が確認したほうがいいと私が思うこと

ここまで書いてきた通り、私は「これを買えば間違いない」と言える立場にありません。三点とも他社製品と比べていないからです。その前提で、選ぶときの考え方だけ書きます。
自分が一日のうち何に一番時間を使っているかを先に数える
私の場合、圧倒的に長いのは「画面を見ながらキーボードとマウスを触っている時間」でした。通話は少ない。撮影も毎日ではない。だから優先順位は自然と決まりました。
ここが人によって違うはずです。一日中オンライン会議をしている人なら、ヘッドセットとマイクが先に来る。図面や画像を扱う人なら、モニターの解像度が先に来るかもしれません。自分の作業時間の配分を先に見ることが、他人のレビューを読むことより先だと思っています。
「不満が出ないこと」を評価軸として認める
周辺機器のレビューを読んでいると、どうしても「劇的に変わった」という話に目が行きます。私も探してしまいます。
でも実際に一年以上使ってみて思うのは、道具として一番ありがたいのは存在を忘れられることだということです。私にとって Razer BlackWidow V3 と Razer Basilisk V3 と Razer BlackShark V2 Pro は、そういう位置にあります。作業中に「あ、これ使いにくいな」と思考が中断されない。それだけで役割を果たしています。
これは地味な評価ですが、地味であることと重要でないことは別です。
効果を断定している情報は、一度疑ったほうがいい
これは自戒でもあります。私は椅子を SYALEN に替えて、肩こりと腰痛が緩和されたような気がしています。でも「SYALENに替えれば肩こりが治る」とは書けません。私は同時期に他のことも変えていて、椅子だけの効果を切り分けられていないからです。
一般に、体感の変化は複数の要因が混ざります。断定している情報を見たときは、その人が何と何を比べたのかを確認したほうがいい。私が今この記事で書いているのも、比較実験の結果ではなく「私の環境ではこうなっている」という一例に過ぎません。
手応えが無い期間をすぐに失敗と決めない
これは周辺機器の話から少し外れますが、環境づくり全体に言えることとして書いておきます。
私はクライアントの案件を引き継いで、コンセプトから作り直したことがあります。それが最近になって伸びました。素直にうれしかったし、クライアントも驚いていた。正直、自分でも驚きました。
ただ、伸びるまで手応えは一切ありませんでした。やっている最中は、効いているのかどうか分からないままだった。手応えが無い時期がしばらく続いたあとで、急に来た。
作業環境も同じだと思っています。モニターを増やしたその日に生産性の数字が跳ね上がるわけではありません。キーボードを替えた翌日に仕事が増えるわけでもない。効いているかどうか分からない期間を挟むのが普通で、私はそれをすぐ失敗とは思わないようにしています。
今の環境で、私がまだ解決できていないこと
環境の話をひととおり書いたので、うまくいっていない部分も同じ密度で書きます。
私は今、自社の収益がまだ立っていません。業務委託の仕事は量が多くて大変なわりに利益が低い。AIを使った仕事に可能性は感じていますが、収益が立っていないので、方向性が合っているのか不安になります。
自動化を作っているのに、結局そのつど自分の手を動かしてしまっているという問題もあります。仕組みを組んだのに手が空かない。
そして、自分の発信の集客がうまくいっていません。誰にも見られていない状況が続くのは、単純にきついです。
ここで正直に書いておきたいのは、作業環境を整えても、この種の問題は一つも解決しないということです。モニターが4枚あっても見てもらえるわけではないし、良いキーボードを使っても収益は立ちません。周辺機器は、作業を邪魔しないための土台であって、成果を生む装置ではない。
それでも私は環境を整えてよかったと思っています。理由は単純で、解決しなければいけない問題が「環境」ではなく「中身」だとはっきりするからです。道具のせいにできる余地が消えると、向き合う先が絞られます。
まとめ

- 私が使っている周辺機器は、キーボードが Razer BlackWidow V3、マウスが Razer Basilisk V3、ヘッドセットが Razer BlackShark V2 Pro。マイクはオーディオテクニカ AT2020、オーディオインターフェイスは AT-UMX3。
- この三点のRazer製品について私が言えるのは「基本的に問題なく使えている。特に不満は出ていない」だけ。他社製品と比べていないので、比較表は作らないし、万人向けのおすすめもしない。
- 作業中に存在を意識しない、トラブルの候補にすら上がらない。私にとってはそれが評価点になっている。
- 私の環境で「明確にプラスがあった」と言えるのはモニターの枚数。4枚にしたことで画面切り替えが不要になり、ウィンドウ間のドラッグ&ドロップも楽になった。困った点は費用がかかることくらいで、使い勝手の不満は出ていない。
- 椅子は SYALEN。替えてから肩こりと腰痛が緩和されたような気がしているが、はっきり治ったとは言い切れない。他の要因も同時に変わっているため。
- パソコンは自作デスクトップ、デスクも自作、回線はビッグローブ光で250〜350Mbps。回線が作業のボトルネックになったことはない。むしろ痛かったのはPCのスリープと電源落ちで、7月3日〜5日の投稿停止と7月14日の3件失敗はどちらもそれが原因。
- 選ぶときは、他人のレビューより先に自分の作業時間の配分を数えるほうが早い。私は画面とキーボードの時間が長く、通話が少ないので、優先順位は自然に決まった。
- 環境を整えても、収益や集客の問題は解決しない。ただ、道具のせいにできる余地が消えることで、向き合うべき中身がはっきりする。


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