メカニカルキーボードを掃除する手順|エアダスターで済ませるか、キーキャップを外すかを決める順番

メカニカルキーボードを掃除する手順|エアダスターで済ませるか、キーキャップを外すかを決める順番 作業環境

この記事が答えるのは、「自分のキーボードは、エアダスターで飛ばすだけで足りるのか、キーキャップを外すところまでやる必要があるのか」という一点です。読み終えたら、手元のキーボードに対してどちらを選ぶか自分で決められて、そのまま作業に入れる状態を目指しています。

先に結論だけ書きます。判断は「見た目」ではなく「症状」でつけます。ホコリが見えているだけならエアダスターで終わりにしてよく、押したキーが戻らない、特定のキーだけ感触が変わった、液体をこぼした、という症状が出ているときだけキーキャップを外します。迷ったときは、戻せなくなる要素が少ないほうから順に試すのが安全です。エアダスターは失敗しても元に戻りますが、キーキャップを外す作業は戻す手間が発生します。

書き手について短く。元は調理師で飲食の現場に10年いて、いまはSNS運用代行のフリーランスとして在宅で仕事をしています。使っているキーボードは Razer BlackWidow V3 です。なお、この記事の手順そのものは一般的な操作で、特定の製品に限った話ではありません。自分の環境でどこまでやっているかは、後半に短くまとめました。

手順0:どこまでやるかを、症状で決める

掃除の記事を読むと、たいてい「キーキャップを外して洗いましょう」まで書いてあります。ただ、外す作業には戻す作業がセットでついてきますし、外している間はそのキーボードが使えません。仕事で毎日使っているものだと、そこが地味に効きます。

なので、最初にやることは掃除ではなく切り分けです。いま出ている症状を下の表に当てはめて、どこまでやるかを決めてください。

いま出ている症状やること理由
キーの隙間にホコリや食べかすが見える手順1〜3(エアダスターと拭き取り)まで表面のゴミは吹き飛ばせば落ちるため
キートップが皮脂でテカっている、指が滑る手順1〜3まで汚れはキートップの表面側にあるため
特定のキーだけ押した感触が違う、引っかかる手順4〜6(キーキャップを外す)までゴミがキーキャップの内側や軸の周りに入っている可能性があるため
押したキーが戻ってこない手順4〜6まで同上。外から吹いても届かない位置にあるため
飲み物をこぼした手順7(こぼしたときの対応)を先に読む掃除より先に、通電を止める作業が必要なため
キーを押しても反応しない、勝手に連打される掃除では直らない可能性が高い汚れではなくスイッチ側の不調が考えられるため

表の最後の行が大事です。掃除で直る症状と、掃除では直らない症状は別物です。反応しない・勝手に入力される、といった電気的な症状は、いくら綺麗にしても変わらないことがあります。その場合はメーカーの問い合わせ先を確認するほうが早いです。保証の扱いは製品ごとに違うので、自分の製品の保証条件を公式のページで確認してください。

手順1:掃除の前に、3つだけ準備する

ここは飛ばされがちですが、後で困らないための準備です。

  1. キーボードをパソコンから外す。有線ならケーブルを抜きます。無線なら電源スイッチを切ります。掃除中にキーが押されて、開いていたファイルに文字が入ったり、思わぬショートカットが動いたりするのを防ぐためです。
  2. キー配列の写真を撮る。スマホで真上から1枚撮っておきます。キーキャップを外す場合に、戻す位置の答え合わせに使います。外さないつもりでも撮っておいて損はありません。
  3. 作業する場所を決める。キーボードを傾けて中のゴミを落とすので、机の上ではなくゴミ箱の上か、新聞紙などを敷いた場所が向いています。

写真については、一般的な配列なら覚えていると思うかもしれませんが、記号のキーや右下あたりは意外とあいまいです。撮るのは数秒なので、撮っておくほうが気が楽です。

手順2:エアダスターでホコリを飛ばす

手順を確認する様子

ここが掃除の本体です。順番は次のとおりです。

  1. キーボードを逆さにして、軽く振る。叩かずに、傾けて落とします。これだけで大きなゴミはかなり落ちます。
  2. キーボードを少し傾けて構える。真上から吹くと、飛ばしたゴミが隣のキーの隙間に入るだけになります。斜めから吹いて、外へ抜けていく向きを作ります。
  3. 端から端へ、一方向に吹く。行ったり来たりすると、さっき飛ばしたゴミを戻すことになります。左上から右下へ、といった一方向に決めて進めます。
  4. 短く区切って吹く。長く吹き続けるより、短く当てるほうが扱いやすいです。
  5. 最後にもう一度逆さにして振る。浮いたゴミを落とし切ります。

エアダスターを使うときの注意が3つあります。

  • 缶を傾けすぎない。製品によっては、傾けると中の液体が出ることがあります。缶に書かれている使用上の注意を先に読んでください。
  • 飛ばす先にモニターやパソコン本体を置かない。キーボードから出たホコリは、そのまま向こう側へ飛びます。画面に向かって吹くと、掃除する場所が増えるだけです。
  • 掃除機で吸うのは、外したキーキャップに対してだけにする。キーボード本体に直接ノズルを当てると、小さな部品まで吸い込んでしまう可能性があります。吸うより飛ばすほうが向いている作業です。

手順3:キートップの表面を拭く

ホコリを飛ばしたあとは、指が触れている面の皮脂を落とします。順番は「乾いた布 → 固く絞った布 → もう一度乾いた布」です。

  1. まず乾いた柔らかい布で全体を拭きます。ここで落ちる汚れは、これで落ちます。
  2. 落ちない部分だけ、水で濡らしてしっかり固く絞った布で拭きます。垂れるほどの水分は使いません。
  3. 最後に乾いた布で水気を取ります。

洗剤や薬剤を使いたくなる場面ですが、キートップの印字や表面の加工は製品によって違います。強い溶剤で印字が薄くなる可能性があるので、使うなら目立たないキー1つで先に試すほうが安全です。ここは「必ず大丈夫」と言えないところなので、断定せずに書いておきます。

拭き終わって症状が消えたなら、掃除はここで終わりです。次の手順4へ進む必要はありません。

手順4:キーキャップを外すかどうかを、もう一度決める

手順3まででも、押した感触が戻らない。特定のキーだけ引っかかる。そのときだけ、キーキャップを外します。

外す前に確認することが2つあります。

  • そのキーボードはキーキャップが外せる作りか。ノートパソコンの内蔵キーボードや、薄型のキーボードは、外す前提で作られていないものがあります。外せない作りのものを無理に引くと壊れます。
  • 工具があるか。キーキャップを引き抜く工具(キープラー)が同梱されている製品があります。自分の製品に付いているかは、箱の中身か公式の同梱品一覧で確認してください。無い場合、指や金属の道具で無理にこじると、キーキャップの縁が欠けることがあります。

外し方の順番は次のとおりです。

  1. まずは、気になっているキー1つだけ外す。全部外すのは、1つ戻すところまでやってからで十分です。1つ外して中を見れば、原因がゴミなのかどうかはだいたい分かります。
  2. 工具をキーキャップの対角にかけ、真上へまっすぐ引く。斜めに引くと軸に横向きの力がかかります。
  3. 大きいキーは最後に回す。スペースキーやエンターキー、シフトキーのような横長のキーは、内側に金具(スタビライザー)が入っていることがあります。戻すのが一番むずかしいのはここなので、初めてなら触らない選択もありです。

ここで「全部外してから写真を撮ればいい」と考えると詰みます。写真は外す前に撮ります。手順1でやったのはそのためです。

手順5:外したキーキャップを洗って、完全に乾かす

外したキーキャップの扱いです。

  1. ぬるま湯に中性洗剤を少し入れて、キーキャップを浸けます。熱い湯は変形の可能性があるので使いません。
  2. 指か柔らかいブラシで、内側と縁をこすります。皮脂は内側より、指が当たる表面と縁に付いています。
  3. すすいで、水気を切ります。
  4. 完全に乾くまで戻しません。ここが唯一の重要なところです。水分が残ったまま軸に差すと、乾いていない部分がそのまま内部に入ります。裏返して並べ、表面にも内側にも水気が残っていないことを見て確認してから戻してください。

乾くまでの時間は、部屋の環境で変わります。時間で決めるのではなく、見て触って乾いていることを確認してから戻すという決め方にしておくと、環境が変わっても同じ判断ができます。

キーキャップを外した側のキーボード本体は、この間にエアダスターをもう一度かけます。キーキャップが載っていない状態が、いちばんゴミを飛ばしやすい状態です。

手順6:戻して、全部のキーが入力されるか確かめる

オンラインで学ぶ様子

掃除より、ここを飛ばすほうが事故になります。戻したあとは必ず確認します。

  1. キーキャップを、手順1で撮った写真と見比べながら戻します。真上から、まっすぐ押し込みます。
  2. パソコンにつなぎ直します。
  3. メモ帳など文字を入力できる画面を開いて、すべてのキーを一度ずつ押します。記号のキーや、右側の数字のキーまで含めてです。
  4. 押しても出ないキー、勝手に連打されるキーが無いかを見ます。

もし出ないキーがあったら、まずそのキーキャップを外して差し直してください。押し込みが浅いだけ、というのがよくある原因です。差し直しても直らない場合は、掃除で直る範囲を超えている可能性があります。

手順7:飲み物をこぼしたときだけ、順番が変わる

こぼしたときは、掃除の手順ではなく別の順番になります。落ち着いて上から進めてください。

  1. すぐにケーブルを抜く(無線なら電源を切る)。拭くより先です。通電したままのほうが影響が大きくなります。
  2. キーボードを伏せて、液体を外に出す。振るより、伏せて置いて自然に落とすほうが、内部に広げにくいです。
  3. 表面の水分を拭き取る。押し込まず、当てて吸わせます。
  4. 完全に乾くまで、電源を入れない。ここが一番つらいところですが、急いでつないで確かめるのが一番よくない選択です。
  5. 乾いてから手順6の確認をします。

糖分の入った飲み物の場合、乾いたあとにベタつきが残って、キーが戻らなくなることがあります。そのときは手順4以降のキーキャップを外す作業に進みます。ただし、内部まで入った場合は掃除で戻る保証はありません。ここは「やれば直る」と書けない領域なので、そのまま書いておきます。

この手順が通用したと言える範囲(運営者の環境)

証拠として、自分の環境の事実だけを短く置きます。

  • 使っているキーボードは Razer BlackWidow V3 です。
  • パソコンまわりの掃除は、月に1回エアダスターでホコリを飛ばすくらいです。
  • つまり、この記事でいう手順1〜3の範囲で止めているということになります。キーキャップを外す掃除はしていません。
  • 打鍵音は「まあまあ静か」、打鍵感は良いと感じています。すごく静か、とまでは言いません。
  • パームレスト(アームレスト)は使っていませんが、手首は痛くなっていません。

正直に書くと、手順4以降を自分の環境で実行した記録はありません。やっていないことを「やってみたらこうでした」とは書けないので、そこは手順の説明として書いています。逆に言えば、月1回エアダスターだけという範囲でも、いまのところ不具合は出ていない、というのが手元で分かっている事実の全部です。

これをどう読むかですが、「掃除の頻度を上げれば良い」という話ではないと思っています。症状が出ていないなら、ホコリを飛ばす範囲で十分に回ります。症状が出たときに、どこまでやるかを決められることのほうが大事です。

この記事の順番が向く人と、向かない人

オンラインでつながる様子

絞り込みを書いておきます。急かすためではなく、合わない人が手を動かして損をしないためです。

向いている人

  • キーキャップが外せるタイプのキーボードを使っている人
  • 掃除を習慣にしたいのではなく、気になったときに1回やりたい人
  • いま何か症状が出ていて、どこまでやるべきか決めたい人

向いていない人

  • ノートパソコンの内蔵キーボードを掃除したい人。キーキャップを外す前提が成り立たないので、手順1〜3までを参考にしてください。
  • 反応しない、勝手に連打される、という症状を直したい人。掃除では変わらない可能性が高い領域です。
  • キーボードを分解(ケースを開ける、スイッチを外す)したい人。この記事はキーキャップを外すところまでしか扱っていません。保証の扱いも変わる可能性があるので、公式の情報を確認してください。

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まとめ:エアダスターで済ませるか、外すかは症状で決まる

最初の質問に答えます。「自分のキーボードは、エアダスターだけで足りるのか、キーキャップを外すべきか」の答えは、見た目の汚れではなく症状で決まります。

  • ホコリが見える、表面がテカる → エアダスターと拭き取りで終わり。
  • 押した感触が違う、キーが戻らない → そのキーだけキーキャップを外す。
  • 液体をこぼした → 掃除より先に通電を止めて、完全に乾かす。
  • 反応しない、勝手に連打される → 掃除の範囲ではない。

そして、どの場合でも順番は同じです。電源を外す → 写真を撮る → 飛ばす → 拭く → 必要なら外す → 戻して全キーを確認する。最後の確認まで含めて1セットです。

今日この記事から1つだけ持ち帰るとしたら、「外す前に真上から写真を1枚撮る」を選んでください。作業としては数秒で、失敗したときに一番効きます。

このブログでは、在宅ワークの作業環境について、使っている道具の選び方と使ってみた結果を書いています。買って使わなかったものも、そのまま書いています。手元の環境で何か1つ決めたいことがあるときに、他の記事も覗いてみてください。

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