デスクを自作した理由と、既製品と迷ったところ|4枚モニターを載せるまでに考えたこと

デスクを自作した理由と、既製品と迷ったところ|4枚モニターを載せるまでに考えたこと 作業環境

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在宅ワーク用のデスクを、私は自作しました。この記事は「自作のほうが正解です」という話ではありません。既製品とどこで迷って、最終的に何を基準にして自作を選んだのか、その順番をそのまま書きます。読み終わったときに、自分の場合はどちらを選べばいいかが決められる状態になっているのを目指しています。

書いているのは、さとりといいます。もともと調理師として飲食の現場に10年いて、そこからSNS運用代行のフリーランスとして独立しました。いまは在宅でずっと作業していて、モニターを4枚並べた自作デスクの前に座っています。道具の話をするときは、良かったところだけでなく、要らなかったもの・買わなくてよかったものも同じ濃さで書くようにしています。

先に結論|「載せるもの」が普通じゃない人だけ、自作を考えればいい

私の結論はひとつです。デスクを自作する理由は「安いから」でも「かっこいいから」でもなく、載せたいものが既製品の想定からはみ出しているときだけだと思っています。

私の場合は、モニターを4枚置くことが先に決まっていました。メインがMSI、サブがASUSで、合計4枚。この時点で、家具屋さんの店頭に並んでいる「在宅ワーク向けデスク」の想定からは、だいぶ外れていました。天板の横幅も、奥行きも、脚の位置も、4枚を並べる前提では作られていません。

逆に言うと、モニター1枚とノートPCで作業する人が自作を選ぶ理由は、私にはあまり思いつきません。そこは既製品のほうが早いし、失敗もしにくいと思います。自作は「選択肢が増える」ぶん、決めなければいけないことも増えます。決めることが増えるのは、必ずしも良いことではありません。

この記事では、私が自作にたどり着くまでに何と迷ったか、そして実際に自作してみて、どこが良くてどこが面倒だったかを順に書いていきます。

そもそも、なぜデスクの話が先に来たのか

在宅で仕事をするようになって、いちばん時間を使っている場所はどこかと考えると、間違いなく机の前です。私は独立してから、朝の6時台に動く仕組みの様子を見て、日中はクライアントの運用の作業をして、夜も机に向かっていることが多い生活をしています。つまり、一日のほとんどをこの机で過ごしています。

飲食の現場にいたころは、作業台は自分で選ぶものではありませんでした。厨房のレイアウトは決まっていて、その中でどう動くかを覚えるのが仕事でした。在宅になっていちばん戸惑ったのは、そこが全部自分の裁量になったことです。どこに何を置くかを、誰も決めてくれません。

最初はそれが自由で嬉しかったのですが、しばらくすると逆に困りました。基準がないと、決められないのです。だから私は、デスクを考えるときに「まず何を載せるか」から決めることにしました。天板のサイズや素材から入ると、いつまでも決まらないと思ったからです。

載せるものを先に全部書き出した

私が実際に机の上と机まわりに置いているものは、こんな内容です。

  • モニター4枚(メインがMSI、サブがASUS。内訳は MSI G274QPF E2、ASUS VC239 が2枚、ASUS VG258)
  • 自作のデスクトップPC本体
  • キーボード(Razer BlackWidow V3)
  • マウス(Razer Basilisk V3)
  • ヘッドセット(Razer BlackShark V2 Pro)
  • マイク(オーディオテクニカ AT2020)とオーディオインターフェイス(オーディオテクニカ AT-UMX3)

この一覧を作ってから、既製品のデスクを見に行きました。すると、迷いどころがはっきりしました。モニター4枚とデスクトップPC本体を同じ面に置こうとすると、どうしても横幅が足りない。かといって、幅の広い既製品を選ぶと、今度は部屋に入らないか、脚の位置が邪魔になるか、そのどちらかになりました。

ちなみに、マイクとオーディオインターフェイスについては、買ったものの結局あまり使っていません。これは別の記事にも書きましたが、道具を先に買ってから使い道を探すと、こうなります。デスクの話をここでしているのは、まさにその逆をやりたかったからです。先に作業を決めて、それから道具を決める。順番が逆になると、たいてい何かが余ります。

既製品と迷ったところ|3つの論点があった

オンラインで学ぶ様子

実際に迷ったのは、大きく3つでした。順番に書きます。

1. サイズが合うかどうか

これがいちばん大きい論点でした。既製品は、サイズが決め打ちで売られています。当たり前なのですが、これは「多くの人にとってちょうどいい寸法」で作られているということでもあります。モニター4枚という時点で、私は「多くの人」ではありませんでした。

大きめのデスクを選べば置けるだろう、とも考えました。ただ、大きければいいわけでもありません。部屋の中でデスクが占める面積が増えると、それだけ他のものが置けなくなります。奥行きも同じで、深すぎるとモニターまでの距離は稼げますが、手前が無駄に空きます。「置ければいい」ではなく「置いたあとで自分が動けるか」のほうが大事でした。

2. 天板の耐荷重と、脚の位置

モニターを複数枚載せるとなると、重さの話が出てきます。ここは既製品でも仕様に書いてあることが多いので、比較はできました。ただ、私が気になったのはそこよりも、脚がどこに立っているかのほうでした。

デスクトップPCを床に置くか、天板の下に置くかで、脚の位置が邪魔になるかどうかが変わります。私は自作PCを使っていて、これがそれなりの大きさです。既製品を見ていると、この脚の位置だとPCが入らないな、という組み合わせが何度もありました。仕様表には「デスク下の空間」までは書いていないので、ここは実物を見ないと分からない部分でした。

3. あとから変えられるかどうか

3つめは、将来の話です。私は在宅で仕事を始めてから、環境をわりと頻繁に変えています。モニターも一気に4枚にしたわけではなく、増やしていった結果いまの枚数になりました。

ということは、この先も変わる可能性が高い、ということです。既製品は完成品として買うので、変えたくなったら基本的には買い替えになります。自作は、天板だけ替える・脚だけ替えるといった直し方ができます。この「部分的に直せる」というのは、私にとってはけっこう大きい点でした。

それでも既製品のほうが良かった点

公平に書きます。既製品には、自作にはない良さがはっきりありました。

ひとつめは、買った時点で完成していることです。当たり前のようですが、これは大きいです。自作は、天板を決めて、脚を決めて、実際に組んで、置いてみて、というプロセスが必要です。その間、仕事は止まりません。私は独立してからしばらく収入が不安定な時期を過ごしたので、「作業できない時間」がどれくらい発生するかは、いつも気にしていました。

ふたつめは、仕様が保証されていることです。耐荷重がいくつで、サイズがいくつで、というのが書いてあります。自作だと、そこは自分で判断することになります。判断できるだけの知識が無いまま作ると、たぶん失敗します。

みっつめは、迷う時間が短いことです。既製品は候補が有限です。自作は、天板の素材も脚の種類も選択肢がほぼ無限にあります。私は決めるのが遅いほうなので、ここは正直しんどかったです。

この3つを踏まえたうえで、それでも私が自作を選んだのは、1つめの論点(サイズ)がどうしても解決しなかったからです。逆に言えば、サイズさえ合っていたら既製品を買っていたと思います。

自作して良かったところ

実際に使ってみて、良かったと感じている点を書きます。

4枚のモニターを、切り替えなしで並べられた

いちばんはこれです。モニターを4枚にしていちばん良かったのは、それぞれの画面に別々の作業や確認用の表示を置いておけることでした。画面を切り替える動作が、そもそも要らなくなります。

この良さは、4枚が同時に見える位置に並んでいて初めて成立します。物理的に並べきれなければ、枚数だけあっても意味がありません。デスクの幅を自分で決められたことが、そのまま4枚の使い勝手につながりました。

もうひとつ、複数枚にして良かったのは、ウィンドウ間のドラッグ&ドロップが楽になったことです。これも、画面同士が近くに並んでいるからこその話です。

不満が出ていない

正直に書くと、いま使っていて特に不満はありません。モニターを増やして困ったことも、費用がかかることくらいで、使い勝手の面での不満は出ていません。

これは自作が優れているという話ではなく、載せるものを先に決めてから作ったからだと思っています。決める順番の話に戻ります。何を載せるかが決まっていれば、必要なサイズは自動的に決まります。サイズが決まっていれば、あとは作るだけです。

自作して面倒だったところ

良かったことだけ書くのはフェアではないので、面倒だった点も書きます。

決めることが多い

これは先ほども触れましたが、実際にやると想像より多いです。天板をどうするか、脚をどうするか、高さをどうするか。既製品なら誰かが決めてくれていたことを、全部自分で決めます。

私は決断が遅いほうなので、ここで時間を使いました。仕事の時間を削って考えることになるので、これはコストです。「安く作れる」と言われる自作ですが、自分の時間は計算に入っていないことが多いと思います。

配線をどう通すかを、自分で考えることになる

モニター4枚とPC本体、キーボード、マウス、ヘッドセット、マイク、オーディオインターフェイスとなると、ケーブルの本数はそれなりになります。既製品には配線用の穴や受けが最初から付いていることがありますが、自作だと、そこも自分で設計することになります。

ここは、実際に組んでみてから「あ、これ考えてなかった」となった部分でした。配線の片付け方については別に書いているので繰り返しませんが、少なくとも天板と脚を決める段階で、ケーブルがどこを通るかも一緒に考えておくべきだったと思っています。

失敗しないための、決める順番

行き詰まっている様子

ここまでを踏まえて、私が「もう一度やるならこの順番でやる」という手順を書きます。自作でも既製品でも、途中まで同じです。

  1. 載せるものを全部書き出す。モニターの枚数、PC本体の置き場所、キーボードとマウス、その他の機材。書き出さないと、必ず何か忘れます。
  2. それを並べたときの横幅と奥行きを出す。ここで、既製品の想定に収まるかどうかが分かります。収まるなら、この時点で既製品に決めていいと思います。
  3. PC本体をどこに置くかを決める。床か、天板の下か、天板の上か。ここで脚の位置の制約が決まります。
  4. ケーブルがどこを通るかを考える。私が後回しにして後悔した部分です。
  5. そのあとで、天板と脚を選ぶ。ここまで決まっていれば、素材選びは意外と早く終わります。

2番目の段階で「既製品で収まる」と分かった人は、自作を検討しなくていいと思います。私が自作を選んだのは、この2番目で収まらなかったからです。それ以外の理由は、正直ありませんでした。

買わなくてよかったもの・要らなかった判断

このサイトでは、買わなくてよかったものも書くことにしています。デスクまわりで言うと、私はデスクライトを買っていません。買わないまま在宅ワークを続けていて、いまのところ困っていません。

逆に、買ったけれど結局あまり使っていないのが、マイク(AT2020)とオーディオインターフェイス(AT-UMX3)です。これは「あったほうがいいはず」で買ってしまった典型でした。デスクを作るときも、同じ間違いをしそうになりました。「そのうち使うかもしれないスペース」を確保しようとすると、机はどこまでも大きくなります。

結局、いま実際にやっている作業から逆算するのがいちばん確実でした。将来使うかもしれない機材のための余白は、実際にその機材を買ってから考えればいい、というのが今の私の考えです。自作なら、そのときに天板を替えるという手もあります。

椅子との関係|デスクだけ決めても座り心地は決まらない

デスクの話をするときに、椅子を切り離して考えるのは難しいと感じています。私は椅子にSYALENを使っていて、それ以前は普通のデスクチェアでした。替えてから、肩こりと腰痛が緩和されたような気がしています。はっきり治ったと言い切れるほどではないのですが、悪くなってはいません。椅子への不満は、いまのところありません。

ここで書いておきたいのは、デスクの高さは、どの椅子に座るかで最適な値が変わるということです。自作は高さを自分で決められるのが利点ですが、裏を返すと、椅子が変わったときに合わなくなる可能性があるということでもあります。

私は結果的に、いま使っている椅子との組み合わせで落ち着いています。ただ、これから作る人は、椅子を先に決めてからデスクの高さを決めるほうが順番として安全だと思います。椅子は座ってみないと分からない部分が大きいので、あとから変わる可能性が高いのはこちらです。

「効いた気がする」の扱い方について

動画編集の作業画面

道具の記事を書いていると、いつも困ることがあります。効果を正確に測るのが難しいということです。

デスクを自作したことで作業が速くなったのか、と聞かれると、正直よく分かりません。同じ時期にモニターを増やしたり、椅子を替えたりもしているので、どれがどう効いたのかを切り分けられません。椅子の話も同じで、肩こりが緩和された気がするけれど、それが椅子のおかげだと断言はできません。

これは、私が仕事のほうでも経験していることです。引き継いだクライアントの案件をコンセプトから作り直したとき、伸びるまで手応えは一切ありませんでした。やっている最中は、効いているのかどうか分からないままでした。それが最近になって伸びて、素直にうれしかったのですが、正直、自分でも驚きました。クライアントも驚いていました。

そのときに思ったのは、効果が出るまでのあいだ、手応えが無いのは普通のことなのかもしれないということです。だから今は、反応が無い期間をすぐ失敗とは思わないようにしています。

道具についても、同じ姿勢でいます。「替えたら劇的に変わりました」と書けるほどはっきりした変化は、実はそんなに多くありません。だからこの記事でも、良かったところは「切り替えが要らなくなった」のような、実際に動作として消えたものだけを書くようにしました。感覚の話は、感覚の話として書いています。

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まとめ|自作は手段であって、目的ではない

長くなったので、要点をまとめます。

  • デスクを自作した理由は、モニター4枚とPC本体を並べるサイズが、既製品の想定に収まらなかったから。それ以外の理由は無い。
  • 既製品には、買った時点で完成している・仕様が保証されている・迷う時間が短い、という明確な良さがある。サイズが収まるなら既製品でいい。
  • 自作して良かったのは、4枚を切り替えなしで並べられたこと。ウィンドウ間のドラッグ&ドロップが楽になったのも、並べられたから。
  • 面倒だったのは、決めることが多いことと、配線の通り道を後回しにしたこと。天板と脚を決める段階で一緒に考えるべきだった。
  • 決める順番は、載せるものを書き出す→幅と奥行きを出す→PC本体の置き場所→配線→天板と脚。2番目で収まるなら既製品に決めていい。
  • 椅子を先に決めてから、デスクの高さを決めるほうが安全。椅子のほうが、あとから変わる可能性が高い。

私は自作を選びましたが、それは自分の作業がそうさせただけです。載せるものが違えば、答えも変わります。デスクを自作するかどうかを先に決めるのではなく、自分が毎日どんな作業をしているかを先に決める。その順番でやれば、たぶんどちらを選んでも大きくは外さないと思います。

もし今、既製品と自作で迷っているなら、まずは紙でもメモアプリでもいいので、机の上に置くものを全部書き出してみてください。私はそれをやったことで、迷いが一段減りました。書き出したうえで既製品が収まるなら、それがいちばん早い答えです。

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