在宅で仕事をしていると、モニターの高さで一度は迷うと思います。私も迷いました。この記事では、モニターを4枚使っている私が、高さをどうやって決めたのかを書きます。結論から言うと、4枚まとめて高さを決めることはできませんでした。いちばん長く見る1枚を先に決めて、残りはそこからの距離で決めています。
書いているのは、元・調理師で飲食の現場に10年いた人間です。そこからSNS運用代行のフリーランスとして独立して、いまは在宅で仕事をしています。営業が苦手で、その苦手を埋めるために自動化を作りはじめたタイプの在宅ワーカーです。専門家ではないので、身体にどう効くかという話はしません。自分がどう決めたか、決めたあとに何が分かって何が分からなかったか、それだけを書きます。
結論:高さは「数字」からではなく「いちばん長く見る画面」から決めた
モニターの高さの話は、たいてい「目線の高さに画面の上端を合わせる」という形で語られます。私も最初はその言い方を探していました。ただ、実際に自分の机の前に座ると、その言い方だけでは決まりませんでした。理由は単純で、私は画面を4枚使っていて、4枚を同じ高さに並べていないからです。
4枚あると、「目線の高さ」に置ける画面はひとつしかありません。残りの3枚は、必ずどこかで目線から外れます。だから最初にやったのは、高さを測ることではなく、どの画面をいちばん長く見ているのかを決めることでした。ここが決まらないうちに高さをいじると、動かすたびに正解が変わってしまって、いつまでも落ち着きませんでした。
私の場合、いちばん長く見ているのは作業そのものをしている画面です。ここを基準の1枚と決めて、その1枚だけを丁寧に合わせました。残りは基準からの上下でしかないので、そのあとは早かったです。
前提として、私が使っている環境
高さの話は環境によって答えが変わるので、先に自分の環境を出しておきます。
- パソコンは自作のデスクトップ
- モニターは4枚。メインがMSI、サブがASUS
- 内訳は MSI G274QPF E2(製造2023年)、ASUS VC239 が2枚(製造2017年・2019年)、ASUS VG258(製造2021年)
- デスクも自作
- 椅子はSYALEN。それ以前は普通のデスクチェアを使っていた
製造年がばらついていることから分かるとおり、一度にそろえた4枚ではありません。必要になるたびに増えていった結果として4枚になっています。だから「4枚ぶんの高さを最初から設計した」というきれいな話ではなく、増えるたびに置き場所を考え直してきた、というのが実際のところです。
それと、機種ごとの使い比べはしていません。同じ環境に並べて使っているだけで、この機種がどう優れているという話は私には書けません。高さの話に必要なのは「メインが1枚あって、サブが3枚ある」という構成だけなので、ここでは型番の話はここまでにします。
高さを決める前に、何を見ている時間が長いかを見た

私がモニターを4枚にして良かったと感じているのは、各モニターにそれぞれの作業や確認画面を置けるので、いちいち画面を切り替えなくて済むことです。もうひとつは、ウィンドウ間のドラッグ&ドロップが楽なこと。この2つが理由で4枚になっています。
ここが高さの話に直結します。4枚が同じ役割なら高さも同じでいいはずですが、実際には役割が違います。ずっと文字を打っている画面と、たまに数字を見にいくだけの画面と、開いたまま放置している画面では、見ている時間がまるで違います。
なので、高さを触る前に自分の作業を眺めて、こういう順番に並べ替えました。
- ずっと見ている画面(手を動かしている場所)
- ときどき視線を移す画面(確認のために見る場所)
- 開いてはいるが、ほとんど見ていない画面(通知や進行状況を置いておく場所)
この順番が決まった時点で、高さの答えはほぼ出ていました。いちばん上の画面だけを身体に合わせて、下の2つは「首を大きく動かさずに視界に入るか」だけで置けばいいからです。逆に言うと、この順番を決めないまま4枚を等しく扱おうとしていたときは、どこに合わせても中途半端になっていました。
「見ている時間」は思っているのと違うことがある
ひとつ意外だったのは、自分が長く見ていると思っていた画面と、実際に長く見ていた画面が同じではなかったことです。開いている時間が長い画面と、視線を置いている時間が長い画面は別物でした。開きっぱなしにしているだけの画面は、置き場所としては目立つのに、実はほとんど見ていません。
これに気づいてから、配置の考え方が「目立つ場所に大事なものを置く」から「視線が長く止まる場所を身体に合わせる」に変わりました。高さの話に限らず、私はこの順番でしか机まわりを決められなくなりました。
基準の1枚は、座り方を先に決めてから合わせた
基準にする画面の高さは、画面のほうから決めませんでした。先に座り方を決めて、そのあとに画面を持ってきています。
順番としてはこうです。
- まず椅子に普通に座って、背もたれに体をあずける
- その姿勢のまま、正面をまっすぐ見る
- そのとき自然に視線が落ちる先に、基準の画面が来るようにする
これだけです。数値で合わせようとすると、その数値に合わせるために座り方のほうを変えてしまいます。私は最初それをやっていて、しばらくしてから「これは画面に人間を合わせている」と気づきました。合わせるべきなのは逆でした。
私はデスクも自作しているので、天板の高さも自分で決められる立場にありました。それでも、天板の高さを動かして解決しようとはしませんでした。天板を動かすと今度はキーボードとマウスの高さがまとめて変わるので、直したかったところ以外まで一緒に動いてしまいます。いちばん動かしても影響が小さいところから触るほうが、あとで戻せます。
キーボードとマウスの位置は動かさなかった
私はキーボードにRazer BlackWidow V3、マウスにRazer Basilisk V3を使っていて、この2つには特に不満が出ていません。不満が出ていないということは、手のほうの位置は今のままでいいということです。だから画面の高さを直すときも、手元の高さは動かさないという前提を先に置きました。
これは細かい話に見えて、実際にはかなり効きました。触っていい場所を先に狭めておくと、あれこれ動かして分からなくなる、ということが起きません。
残りの3枚は「見る頻度」で上下を分けた

基準が決まったあとの3枚は、身体に合わせるという発想を捨てました。どうせ正面ではないので、正面と同じ基準では置けません。
私が置いている考え方はこうです。
- ときどき見る画面は、基準の画面と大きく段差をつけない。視線を横に振ったときに、そのまま読める位置
- ほとんど見ない画面は、少しずれていても気にしない。存在が分かればいい
ここで「全部きれいに一直線に並べたい」という気持ちは、いったん脇に置きました。見た目としては、4枚の上端がそろっている机のほうが気持ちいいのは分かります。ただ、そろえることを優先すると、いちばん長く見る画面のほうが妥協することになります。私は見ている時間が長いほうを優先しました。
結果として、私の机は「全部そろっている」状態ではありません。写真映えという意味では負けていると思います。それでも、いちばん長く見る画面が一番いい位置にあるので、作業中に困ることはなくなりました。
高さを変えて分かったことと、分からなかったこと
ここは正直に書きます。高さをこう決めたから体が楽になった、とは言い切れません。
というのも、私はこの時期に椅子も替えているからです。以前は普通のデスクチェアを使っていて、いまはSYALENを使っています。椅子を替えてから、肩こりと腰痛が緩和されたような気がしています。ただ、はっきり治ったとまでは言い切れません。そして椅子と画面の高さを同じ時期に触っているので、どちらがどれだけ効いたのかは、私には分けられません。
これは道具の話ではよくあることだと思っています。作業環境は、ひとつだけ変えて他は完全に同じ、という比べ方が現実にはできません。仕事の内容も体調も日によって変わるので、なおさら分かりません。だから私は「効いた気がする」を「効いた」に書き換えないようにしています。
そのうえで、はっきり言えることもあります。
- 画面を切り替えなくて済むようになったのは、事実として楽になった
- ウィンドウを画面間でドラッグして動かせるのも、事実として楽になった
- モニターを増やして困ったのは費用くらいで、使い勝手の面での不満は出ていない
身体にどう効いたかは分からない。作業の手数が減ったのは分かる。私が言えるのはここまでです。
椅子を替えるなら、画面の高さも一度は見直したほうがいい
これは断定ではなく考え方として書きます。椅子を替えると、座ったときの目の位置が変わります。目の位置が変わるなら、その目に合わせて置いた画面の位置も、前提が変わっているはずです。
私はここを最初、別々の話だと思っていました。椅子は椅子、モニターはモニターだと思っていたのですが、実際には座り方から画面までがひと続きです。高さの話を画面だけで考えていると、たぶん途中で行き詰まります。
高さで遠回りしたところ

私が遠回りしたところを2つ書いておきます。
ひとつめは、数値を先に決めようとしたこと。数値は他人の身体で出た数値なので、自分の椅子と自分の机では同じ意味になりません。数値から入ると、合っているかどうかを自分で判断できないまま「たぶんこれで合っているはず」という状態になります。私はしばらくその状態でした。
ふたつめは、道具で解決しようとしたこと。置き方で解決できるかもしれないことを、先に何かを買って解決しようとするのは、私がよくやる失敗です。買えばだいたい何かは変わるので、変わったこと自体に満足してしまって、元の問題が残っていても気づきにくくなります。
いまは順番を変えていて、まず今ある物の置き方で試す、それで足りないと分かってから買うようにしています。置き方を変えるのは無料ですし、気に入らなければ戻せます。戻せる範囲で試してから、戻せないこと(お金を使うこと)に進む。この順番にしてから、無駄が減りました。
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まとめ:高さは道具ではなく、自分の作業から決まる
この記事で書いたことをまとめます。
- モニターが複数枚あると、全部を同じ基準では置けない。いちばん長く見る1枚を先に決める
- 基準の1枚は、座り方を決めてから画面を持ってくる。画面に合わせて座り方を変えない
- 残りの画面は「見る頻度」で置く。見た目をそろえることを優先しない
- 身体への効果は言い切らない。私は椅子と同時に触ってしまったので、分けられていない
- 置き方で試してから、買うかどうかを決める
高さの正解は、机の広さでも画面の枚数でもなく、自分がどの画面をいちばん長く見ているかで決まります。そしてそれは、人に聞いても分かりません。
もしいま高さで迷っているなら、動かす前に一度だけ、自分の視線がどの画面にいちばん長く止まっているかを見てみてください。私はそこが分かった時点で、あとは自然に決まりました。順番が逆だったときは、何回動かしても決まりませんでした。


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