先に結論から書きます。在宅ワークでオーディオインターフェイスが必要になるのは、「使いたいマイクが、それを必要とするマイクだったとき」だけです。音を良くするために買う機材ではなく、繋げないマイクを繋ぐための機材だと考えると、要るか要らないかはかなりはっきりします。
この記事で分かるのは、次の3つです。
- オーディオインターフェイスが何をする機材なのか
- 私が実際に使っている構成と、そこに至った経緯
- 買うか見送るかを、自分の作業から決める順番
書いているのは、さとりといいます。元は調理師で、飲食の現場に10年いました。そこからSNS運用代行のフリーランスとして独立して、いまは自宅で仕事をしています。営業が苦手で、その苦手を埋めるために自動化を作りはじめた在宅ワーカーです。
手元にあるのは、マイクがオーディオテクニカのAT2020、オーディオインターフェイスが同じくオーディオテクニカのAT-UMX3です。この2つを組み合わせて使っています。ただ、正直に書いておくと、この構成が今の私の仕事に必要だったかというと、そうとは言い切れません。そのあたりも含めて書きます。
なお、音質そのものの良し悪しについては書きません。私は測っていませんし、比較試聴もしていないからです。ここで書けるのは「どういうときに必要になるか」という要否の判断だけです。
オーディオインターフェイスは、音を良くする機材ではありません
まず、この機材が何をしているのかを整理します。ここを取り違えたまま検索していると、いつまでも判断がつきません。
オーディオインターフェイスの役割は、ざっくり言うと「パソコンに直接つながらないマイクを、つながるようにする」ことです。加えて、マイクによっては動作のための電源を送る役目もあります。
ここが大事なところで、この機材を足したから音が良くなる、という順番ではありません。「良い音で録れると言われているマイクは、パソコンに直挿しできない形をしている」ことが多く、その結果として間にこれが要る、という順番です。因果が逆になっていることが、検索結果を読んでいるとよく分かります。
だから、必要かどうかを考えるときの入口は、機材の性能ではありません。「自分が使いたいマイクは、どちらのタイプか」です。ここだけ確認すれば、答えはほぼ出ます。
マイクは大きく2つに分かれます
- USBマイク:パソコンのUSB端子にそのまま挿して使えるタイプ。オーディオインターフェイスは要りません。
- XLR接続のマイク:太い3本ピンのケーブルで繋ぐタイプ。パソコンには直接挿せないので、間にオーディオインターフェイスが要ります。
私が持っているAT2020は、後者です。だから、AT-UMX3が一緒に必要になりました。マイクを選んだ結果として、インターフェイスが決まったという順番でした。逆ではありません。
製品ごとの仕様や価格は変わるので、2026年8月時点の話として読んでいただいて、最新は公式でご確認ください。
私が使っている構成と、そこに至った経緯
いま手元にあるのは、AT2020とAT-UMX3の組み合わせです。マイクが先で、それを鳴らすためにインターフェイスが後から決まりました。
ただ、これは正直に書いておきたいのですが、私はこのマイクを、いまオンライン会議では使っていません。会議で使っているのはヘッドセット(Razer BlackShark V2 Pro)のほうです。
理由は単純で、会議のたびにマイクの前に姿勢を作って、口の位置を合わせて話す、というのが自分の仕事の流れに合わなかったからです。ヘッドセットなら被るだけで済みます。音の良し悪し以前に、動作が1つ多いかどうかのほうが、毎日のことになると効きました。
そう書くと「じゃあ買わなければよかったのでは」という話になりますし、実際その通りだと思っています。買った時点では、良い音で録れる環境を作ればそのぶん良いものが出せる、と思っていました。でも実際に仕事で毎日やっていることは、オンラインで打ち合わせをして、SNSの運用を回すことです。そこで詰まっていたのはマイクの音質ではありませんでした。
このサイトでは「買わなくてよかったもの」もそのまま書くと決めているので、これはその側に入る道具です。機材そのものに不満があるわけではありません。使う場面が自分の側に無かった、というだけの話です。
要否は「録った音を誰が聞くか」で決まります

では、どう判断すればいいのか。私は、次の質問に自分で答えるのがいちばん早いと思っています。
「その音を、最終的に誰が、どんな状態で聞くのか」
これで、だいたい分かれます。
要らない側に寄るケース
- 用途がオンライン会議や打ち合わせだけの場合。相手はイヤホンやノートPCのスピーカーで聞いています。回線を通った時点で音は圧縮されるので、入口だけを良くしても、そのまま届くわけではありません。
- 相手が「聞き取れるかどうか」を気にしていて、「音質が良いか」を気にしていない場合。会議で問題になるのは、たいてい音質ではなく途切れや環境音のほうです。
- USBマイクやヘッドセットで、今のところ相手から聞き返されていない場合。困っていないなら、変える理由がありません。
要る側に寄るケース
- 使いたいマイクがXLR接続のものだと、もう決まっている場合。これは選択の余地がなく、必要です。
- 録った音そのものが納品物や公開物になる場合。人が繰り返し聞くもの、あとから編集するものは、入口の条件が結果に残ります。
この分け方の要点は、「音を良くしたいか」ではなく「良くした音が届く先があるか」で見るところです。前者で考えると、たいていの人は「良いほうがいいに決まっている」となって、そのまま買います。私がそうでした。
買う前に確かめておくと良かったこと
私自身が、買う前にもう少し考えておけばよかったと思っている点を挙げます。どれも、機材の性能とは関係のない話です。
1. 使う場面が、1日のどこにあるか
週に何回、どのタイミングで使うのか。ここが具体的に浮かばないなら、たぶんまだ要りません。私は「これから使う場面が増えるだろう」で買いましたが、増えませんでした。増える予定は、使う場面ではありません。
2. 机の上に置き場所があるか
マイクとインターフェイスは、両方とも場所を取ります。私の机はモニターを4枚並べているので、机の上はもともと余裕がありません。手を伸ばす範囲に置けないものは、だんだん使わなくなります。これは実感としてあります。
3. 動作が1つ増えることを受け入れられるか
電源を入れる、口の位置を合わせる、入力先を切り替える。1回あたりは数秒でも、毎日のことになると、それを避ける方向に自分が動きます。使わなくなった理由は、たいてい性能ではなく手間のほうです。
「あとで必要になるかも」で買うと、たいてい寝かせることになります

これは道具全般に言えることだと思っているのですが、「あとで必要になるかも」という理由で買ったものは、その「あとで」が来ないことが多いです。
私の場合、それはマイクだけではありませんでした。モニターアームも同じことをしています。いま実際に使っているのは3種類のアームで、モニター4枚をそれぞれ載せています。HUANUOのデュアルアームが1台、TECLUKのシングルが1台、BracwiserのMD7821が1台という構成です。
そのうえで、2026年7月にACCURTEKのロングポールタイプを1本、suptekのシングルアームMD6DBを2個買っていて、この3本はまだ使っていません。不具合があったわけでも、サイズが合わなかったわけでもありません。付け替えるのが面倒で、今の構成に入れていない、というだけです。
買った時点では、これで環境が良くなると思っていました。でも実際には、箱から出して付け替える作業のほうが先に立ちはだかって、そこで止まりました。買っただけでは環境は変わらないという、それだけの話です。
マイクとインターフェイスも、構造としては同じでした。持っていることと、使っていることは別です。こういう買い物は記事に書きにくいのですが、書かないと「全部うまくいっている人」の記録になってしまうので、そのまま書いています。
それでも手放していない理由
使っていないなら売ればいい、という話にもなりますが、私はいまのところ手元に置いたままです。理由は2つあります。
1つは、不満があって使っていないわけではないからです。機材の側に問題があるなら判断は簡単なのですが、そうではありません。合わなかったのは自分の作業の流れのほうです。作業の中身が変われば、また使う可能性はあります。
もう1つは、録った音が公開物になる仕事が、これから出てこないとは言い切れないからです。私はいま動画も扱ってきた経緯があるので、ナレーションのように「人が繰り返し聞く音」を自分で用意する場面は、ゼロではありません。そのときは、要る側の条件にはっきり当てはまります。
ただ、これを「買った理由」として後付けするのは違うと思っています。買ったときにその場面は無かったし、いまも無い。あるのは可能性だけです。そこは分けて書いておきます。
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まとめ:機材から決めず、自分の作業から決める

あらためて整理します。
- オーディオインターフェイスは、音を良くする機材ではなく、直接つながらないマイクをつなぐための機材です。
- だから要否は、使いたいマイクがXLR接続かどうかで、ほぼ決まります。USBマイクやヘッドセットで足りているなら、要りません。
- 判断の軸は「音を良くしたいか」ではなく、「良くした音が届く先があるか」です。会議相手はイヤホンで聞いています。納品物として繰り返し聞かれる音なら、話は変わります。
- 買う前に、使う場面が1日のどこにあるか、置き場所があるか、動作が1つ増えることを受け入れられるかを確かめておくと良いです。
- 私はAT2020とAT-UMX3を持っていますが、オンライン会議ではヘッドセットを使っていて、この構成は出番がありません。機材が悪かったのではなく、使う場面が自分の側に無かったという話です。
在宅ワークの道具は、良いものを揃えれば良い環境になる、という順番では決まりませんでした。少なくとも私の場合は、自分が毎日やっている作業の形が先にあって、そこに合わないものは、良いものでも使わなくなりました。モニターアームを3本寝かせているのも、同じ理由です。
もし今、オーディオインターフェイスを買おうか迷っているなら、機材のスペックを比べる前に、まず「自分が使いたいマイクはどちらのタイプか」と「その音を誰が聞くのか」の2つに答えてみてください。それで要らないという結論が出るなら、それがいちばん良い結果だと思います。買わずに済んだ判断は、記事にならないだけで、ちゃんと成果です。
このサイトでは、私が実際に使っている在宅ワークの道具を、選び方と使ってみた結果で書いています。買わなくてよかったものも、こうしてそのまま残しています。他の道具の話も、よかったら合わせて読んでみてください。


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