この記事で分かるのは、「昇降デスクが必要かどうか」を、立ち作業をするかどうかとは別の軸で考える方法です。
書いているのは「さとり」と申します。元は調理師で、飲食の現場に10年いました。そこからSNS運用代行のフリーランスとして独立して、いまは在宅で仕事をしています。デスクは自作で、その上にモニターを4枚並べています。
そして昇降デスクは、まだ買っていません。「そのうち欲しい」と思っている段階です。ですので、この記事は使ってみたレビューではありません。買う前の人間が、何を考えて保留しているかという話になります。
先に結論:私が昇降デスクを欲しい理由は、立って作業したいからではありません
昇降デスクを調べると、たいてい「立って作業できる」ことが売りとして出てきます。座りっぱなしがよくない、立つと集中できる、といった文脈です。
私が欲しい理由は、そこではありません。単に、高さを変更したいからです。
言い換えると、私が欲しいのは「立つ機能」ではなく「高さを動かせること」です。この2つは、昇降デスクという同じ製品にまとめて入っているので混ざりやすいのですが、買う理由としては別物だと思っています。
ここを分けておかないと、記事やレビューを読むときに困ります。世の中の昇降デスクの評価は、かなりの部分が「立ち作業をしてどうだったか」で書かれているからです。立ち作業をするつもりがない人にとって、その評価はそのまま当てはまりません。
この記事が答える質問
この記事が答えるのは、「昇降デスクは自分に必要か」を、どう判断すればいいかという質問です。
買った人のレビューは世の中にたくさんあります。ただ、買った人の話は「買うと決めたあと」から始まります。その手前の、買うかどうかを決める部分は、意外とどこにも書かれていません。私はいまその手前にいるので、そこだけを書きます。
逆に言うと、この記事には次のことは書いてありません。
- おすすめの昇降デスクの機種
- 電動と手動のどちらがいいか
- 実際に使ってみた感想、耐久性、天板のたわみ
- いくらで買えるか
どれも持っていないので書けません。持っていないものについて、それらしい評価を書くことはしないようにしています。
「立ちたい」と「高さを変えたい」は、必要な機能が違います

自分の理由をはっきりさせるために、この2つを分けて考えてみます。
立ち作業をしたい人が必要としているもの
立って作業するということは、座面の高さ(70cm前後)から、立ったときに手が届く高さ(100cm前後)まで、1日に何度も往復させるということです。
この使い方だと、必要なのは「動かせること」ではなく「頻繁に、素早く、楽に動かせること」になります。電動が前提になりますし、ボタンひとつで決まった高さに戻るメモリー機能が効いてきます。可動域も広さが要ります。
高さを変えたいだけの人が必要としているもの
一方で私の場合は、1日に何度も上下させたいわけではありません。自分に合う高さに合わせられればよくて、それが決まったらしばらくそのままだと思います。
そうすると、求めているものはだいぶ変わってきます。頻繁な往復が前提でないなら、素早さやメモリー機能の優先度は下がるはずです。
ここまで書いて自分でも思ったのですが、この整理は買う前にやっておくべきものです。製品ページを見に行くと、どうしても「できること」の一覧を見てしまいます。できることが多いほうがよく見える。でも、自分が使わない機能は、自分にとっては価値がありません。
私が今使っているのは自作のデスクです
前提として、いまの環境を書いておきます。
デスクは自作です。天板は800×1600(単位はミリメートルのつもりで扱っています)。脚は、前に使っていたデスクのものをそのまま使っています。つまり、天板だけを自分で用意して、脚は流用した形です。
その上に、モニターを4枚載せています。メインがMSI、サブがASUSで、4枚それぞれをモニターアームに載せています。パソコンは自作のデスクトップです。
この構成で困っていることは、特にありません。広さも足りています。不満があるから昇降デスクを検討しているわけではない、というのが正直なところです。「そのうち欲しい」という温度感なのは、そういう理由です。
ここは正直に書いておきたい部分でして、道具の記事は「困っている→買った→解決した」という形にすると読みやすくなります。でも、私の場合はまだ困っていません。困っていないものを「困っている」ことにして書き始めると、その先の全部が嘘になります。
買う前に確かめておこうと思っていること
まだ買っていない立場で、買う前に確かめるつもりでいることを書きます。私と同じように「高さを変えたいだけ」の人には、同じ順番が使えると思います。
1. いま載っているものの重さ
私の場合、天板の上にはモニターが4枚あります。しかも4枚ともモニターアームに載せているので、アームの重さも天板にかかっています。
昇降デスクには耐荷重の数字がありますから、そこは自分の環境と突き合わせる必要があります。これはモニターアームを選んだときと同じ考え方で、載せるものが決まっていないと数字を見ても判断できません。
2. 天板をどうするか
私はいま天板が800×1600で、脚だけを流用しています。ということは、昇降デスクを検討するときに選択肢が2つあります。天板ごと買い替えるか、脚の部分(フレーム)だけを昇降するものにして、いまの天板を載せ替えるかです。
脚を流用した経験があるぶん、「全部を買い替えなくてもいい」という感覚は持っています。ただ、どちらがいいかは今の私にはまだ判断できません。実際にやっていないことなので、ここで結論は書きません。
3. 配線が動きに耐えるか
モニター4枚とパソコンがつながっているので、天板の裏には配線があります。天板が上下するということは、その配線も一緒に動くということです。
これは想像の範囲ですが、確かめずに買う項目ではないと思っています。
4. 何度も動かすつもりがあるか
最後にもう一度、自分に聞くところです。私の答えは「無い」です。だからこそ、立ち作業前提のレビューを判断材料にしてはいけない、と自分に言い聞かせています。
「そのうち欲しい」で止めているのは、悪いことではないと思っています

ここは、道具についてよく思っていることです。
私はモニターアームを4本使っていますが、実は買ったのに使っていないアームもあります。2026年7月に買ったACCURTEKのロングポールのものと、同じく7月に買ったsuptekのシングルアーム2個です。不具合があったわけでも、合わなかったわけでもありません。付け替えるのが面倒で、今の構成に入れていないだけです。
買っただけでは、環境は変わりませんでした。これは当たり前のようでいて、買う前には案外わからないことでした。「買えば良くなる」と思って買ったものが、箱から出たあとの手間で止まる。私の場合、それが3個ぶんあります。
この経験があるので、昇降デスクについても急いでいません。いま困っていないものを、困る前に買う理由が自分の中で見つかっていないという状態です。見つかったら買うと思います。
こういう話は記事にしにくいのですが、書かないと「全部うまくいっている人」の記録になってしまうので、そのまま書いています。
この考え方が向く人と、向かない人
この記事の判断のしかたは、誰にでも当てはまるものではありません。
向いていると思う人
- 昇降デスクが気になっているが、立ち作業をするつもりは特にない人
- いまのデスクに大きな不満はないが、高さだけが気になっている人
- デスクの上に重いもの(モニターやアーム)を載せている人
向いていないと思う人
- 立って作業することが目的の人。その場合は、素早く上下できるかどうかを重視した記事を読んだほうが役に立ちます。私は立ち作業をしていないので、その部分は評価できません。
- 今すぐ機種を決めたい人。この記事に機種の比較はありません。
- 座っていて明確に体を痛めている人。高さの問題なのか、椅子の問題なのか、切り分けが先だと思います。私自身は、椅子を替えたときに肩こりと腰痛が緩和されたような気がしています(はっきり治ったと言い切れるほどではありません)。
製品の情報は、必ず公式で確かめてください

この記事に書いた製品の話は、2026年8月時点で私が使っているもの、または買ったものの情報です。価格・仕様・対応サイズは変わることがありますので、購入を検討する際は公式サイトの最新情報を確認してください。
特に耐荷重と対応天板サイズは、製品によって条件が細かく違います。私の環境(モニター4枚+アーム4本)のような載せ方をする場合は、数字を自分で足して確かめる必要があります。
まとめ:必要かどうかは、機能の多さではなく「自分が何をしたいか」で決まります
最初の質問に答えます。「昇降デスクは自分に必要か」は、立ち作業をするかどうかを先に決めると判断しやすくなります。
私の場合の答えはこうです。
- 立って作業したいわけではない。だから立ち作業前提のレビューは、私の判断材料にはならない
- 欲しい理由は、高さを変えられること。それ以上でも以下でもない
- いまのデスク(自作・天板800×1600・脚は流用)に不満はない。だから急いでいない
- 買う前に確かめるのは、載せているものの重さ、天板をどうするか、配線が動きに耐えるか
道具を選ぶとき、私はいつも「この道具は何を解決するのか」より先に「自分は何がしたいのか」を書き出すようにしています。順番が逆になると、製品ページに書いてある「できること」に引っ張られて、使わない機能にお金を払うことになるからです。
そして、買ったのに使っていないモニターアームが3個あるという事実が、私にそれを教えてくれました。買うことと、環境が変わることは、別のことでした。
あわせて読みたい
- デスクを自作した理由と、既製品と迷ったところ|4枚モニターを載せるまでに考えたこと
- 買って使っていない道具と、買わずに済んだ道具|在宅ワークで私が外した判断
- デスクの奥行きはどれくらい要るか|自作して分かった寸法の決め方
もし今、在宅の作業環境で何か1つ変えようとしているなら、先に「それで何を解決したいのか」を一文で書いてみてください。私はそれを書けなかったものについては、買うのを止めています。この記事が、その一文を書く手前の材料になれば嬉しいです。


コメント