在宅で仕事をしていると、ヘッドセットを有線にするか無線にするかで一度は迷うと思います。この記事は、その一点だけに答えます。
先に結論を書きます。私が無線を選んだ理由は「離席するときに外さなくてよいから」だけです。音がいいからでも、遅延が少ないからでも、バッテリーが長持ちするからでもありません。使う場面の中に「席を立つ」が何回あるか。私の場合はそこが決め手になりました。
書いているのは、さとりといいます。飲食の現場に10年いた元調理師で、いまはSNS運用代行のフリーランスとして在宅で仕事をしています。使っているヘッドセットは Razer BlackShark V2 Pro です。
この記事で分かるのは、有線と無線を「性能」で比べずに決める方法と、私がどこを見て無線にしたかです。逆に、音質や遅延やバッテリーの持ちで比較した話は出てきません。私はそこを測っていないので、書けません。そこが知りたい方には、この記事は物足りないと思います。
有線と無線で迷うとき、たいてい比べる場所を間違えている
ヘッドセットを調べ始めると、まず出てくるのは音質・遅延・接続の安定性・バッテリーの持ちといった項目です。どれも大事な話ではあります。ただ、この4つを並べて比べても、私の場合はいつまでも決まりませんでした。
理由は単純で、その4つは「どちらが優れているか」の話であって、「自分がどう使うか」の話ではないからです。優れているほうを選ぶ、という決め方をすると、比較記事を何本読んでも決まりません。読むたびに違う機種が一位になっているからです。
私が最後に決められたのは、比べる軸を性能から自分の一日に移したときでした。具体的には、こう考え直しました。
- 自分は一日のうちに何回、ヘッドセットを着けたまま席を立ちたくなるか
- そのとき、外す動作が発生するとどうなるか
この2つに答えを出したら、私の場合は無線一択になりました。性能で決めたわけではなく、動作の回数で決めたということです。
私が無線にした理由は、離席のときに外さなくてよいから
在宅の仕事は、席を立つ回数が思っているより多いです。飲み物を取りに行く、荷物を受け取る、別の部屋に何かを取りに行く。会社にいた頃と違って、そのすべてを自分でやることになります。
有線だと、そのたびにヘッドセットを外すか、外さないまでもケーブルの長さの範囲で動くことになります。これは「不便だ」というほどのことではありません。1回だけなら何ということもない動作です。ただ、1日に何度も繰り返す動作は、面倒くささが積み上がっていきます。
無線にしてから、その動作そのものが消えました。着けたまま立って、そのまま歩いて、そのまま戻ってこられる。私が無線に払っているお金は、実質この一点に対してだと思っています。
正直に書くと、これは劇的な変化ではありません。作業が速くなったとか、集中が続くようになったとか、そういう話ではないです。ただ、毎日繰り返す小さな動作がひとつ減った、という手応えはあります。道具を替えて起きる変化は、だいたいこのくらいの大きさだと私は思っています。
「有線に負けている項目」を、私は確かめていません

ここははっきり書いておきます。私は無線と有線を並べて使い比べていません。だから、次のことは私には書けません。
- バッテリーが何時間持つか。実際に測っていません
- 音の遅延がどれくらいあるか。比べていません
- 接続が有線より不安定かどうか。検証していません
一般には、無線はこのあたりで有線に劣ると言われます。ただ、それは私が確かめたことではないので、この記事では「言われている」以上のことは書きません。確かめていないことを、確かめたように書くのがいちばん良くないと思っています。
私が言えるのは、いま使っている Razer BlackShark V2 Pro を仕事で使っていて、特に不満が出ていない、というところまでです。「不満が出ていない」は「優れている」とは違います。ここは分けて読んでもらえたらと思います。
どちらにするかを、自分の作業から決める順番
私がやったのと同じ順番を書いておきます。性能の比較表は、この順番のいちばん最後に見るものだと思っています。
1. ヘッドセットを着けている時間帯を書き出す
まず、自分がヘッドセットを着けるのはいつかを書き出します。一日中着けているのか、オンライン会議のときだけなのか、作業中に音を流しているのか。ここが分からないと次に進めません。
私の場合はオンライン会議で使っています。会議用のマイクとしては、別に用意しているものがあるので、そちらは別の記事で書きました。
2. その時間帯に、席を立つ場面があるか数える
次に、その時間帯の中に「立ちたくなる場面」が何回あるかを考えます。ここがゼロに近いなら、無線の一番の利点は自分には効きません。効かない利点にお金を払う必要はありません。
逆に、その回数が多いなら、無線を検討する理由が自分の中に生まれます。他人のレビューではなく、自分の一日から出てきた理由です。
3. 充電を忘れる自分を、許せるかどうか考える
無線には充電が要ります。これは仕組み上そうなので、避けられません。私はバッテリーの持ち時間を測っていないので何時間とは書けませんが、「充電を管理する手間が新しく増える」ことだけは確実です。
ここを面倒に感じる人は、有線のほうが向いていると思います。ケーブルの煩わしさと、充電の煩わしさ。どちらを引き受けるかという交換になります。
4. ここまで決まってから、機種を見る
有線か無線かが決まってから、初めて機種の比較を見ます。順番が逆になると、機種の魅力に引っ張られて、自分に効かない機能でお金を払うことになります。私は道具を選ぶとき、この順番を守るようにしています。
この選び方が向く人と、向かない人

誰にでも当てはまる話ではないので、線を引いておきます。
この記事の決め方が向くのは、次のような方だと思います。
- 在宅で仕事をしていて、着けたまま席を立つ場面が何度もある人
- 比較記事を何本も読んだのに、まだ決められていない人
- 音質や遅延にこだわりが特にない人
向かないのは、次のような方です。
- 音楽や動画の制作をしていて、音の遅延がそのまま仕事の精度に響く人。私はそこを測っていないので、この記事は判断材料になりません
- ヘッドセットを着けている間、ほとんど席を立たない人。無線の一番の利点が効きません
- 充電の管理を増やしたくない人
とくに2番目は大事だと思っています。無線を選ぶ理由が「離席」なのだとしたら、離席しない人にとっては、その理由がまるごと消えるということです。そのときは有線のほうが素直な選択になります。
道具を替えても、変わらなかったこと
ヘッドセットの話からは少し外れますが、書いておきたいことがあります。
私は在宅で一人で仕事をしていて、誰とも喋らない日があります。それが正直きついと感じています。孤独だな、と思うことがあります。ヘッドセットを無線にしても、そこは一ミリも変わりませんでした。
当たり前の話ではあります。ただ、道具を買うときって、その道具が解決してくれる範囲を、実際より少し広く見積もってしまうところがあると思うんです。無線のヘッドセットが解決したのは「離席のときに外す」という動作ひとつだけでした。それ以上でも以下でもない。
だからこそ、その一点が自分にとって効くかどうかを先に確かめてほしい、という話でもあります。効くなら買う価値があるし、効かないなら買わなくていい。そういう決め方をするようになってから、道具選びで外すことが減りました。
いまの構成でのヘッドセットの位置づけ

参考までに、私の作業環境の中でヘッドセットがどこに収まっているかを書いておきます。2026年8月時点のものです。
- キーボードは Razer BlackWidow V3
- マウスは Razer Basilisk V3
- ヘッドセットは Razer BlackShark V2 Pro
Razerで3点を揃えたのは、見た目の理由です。光っていて、性能もよくてかっこいいと思ったから。実用上の理由から選んだわけではありません。ここは正直に書いておきます。この3つは、いまのところ基本的に問題なく使えていて、特に不満は出ていません。
その中で、ヘッドセットだけは「無線であること」自体に理由があるという位置づけです。キーボードとマウスは見た目で選びましたが、ヘッドセットの無線という部分だけは、自分の作業から出てきた選択でした。
なお、製品の価格や仕様は変わります。ここに書いているのは2026年8月時点で私が使っているものの話なので、買う前には必ず公式の情報で最新の内容を確認してください。
まとめ|有線か無線かは、席を立つ回数で決まる
この記事が答えたかった質問は「在宅ワークのヘッドセットを、有線と無線のどちらにするか」でした。
私の答えは、ヘッドセットを着けている時間帯に、席を立ちたくなる場面が何回あるかで決めるです。多いなら無線、ほとんどないなら有線。私は前者だったので無線にしました。
私が確かめた範囲で言えることは、これだけです。
- 離席のたびに外す動作が消えた。これは無線にして実際に起きた変化です
- Razer BlackShark V2 Pro を仕事で使っていて、特に不満は出ていない
- バッテリーの持ち・遅延・接続の安定性は測っていないので、有線より優れているとは書けない
比較記事を読んでも決まらないときは、比べる場所が性能になっていることが多いです。性能はどれも「他人にとっての良さ」なので、自分の一日に置き換えないと選べません。自分の作業から決める。これが結局いちばん外れないと思っています。
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この記事を読んで、自分の場合はどうかを考えてみたい方は、まず一日のうちで席を立つ回数を数えるところから始めてみてください。数えてみると、思っていたのと違う結果が出ることがあります。私はそれで無線に決めました。


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